【フランス】年金の受給開始年齢引き上げ→74万人の大規模デモで一部が暴徒化、英国王の訪問も延期 へのコメント（No.20）

デモ隊がルイヴィトンの本社になだれ込む、フランスで年金改革めぐり大規模抗議

2023年4月14日 11:12

フランスで13日、年金改革法案に反対する全国規模のデモが行われた。このうちパリではデモ隊が高級品メーカー、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンのパリ本社になだれ込み、政府に対し年金改革ではなく富裕層への課税を強化するよう訴えた。

パリなどの都市で治安部隊とデモ隊が激しく衝突。治安部隊が催涙ガスを発射した。

14日に仏憲法院が、政府によって強行採決された国民年金の受給年齢を2歳引き上げて64歳にする法案の審査結果を発表するのを前に、組合は蜂起を促した。1月中旬に始まったマクロン大統領の年金改革に対する全国的な抗議運動が行われたのは、これで12回目。ストライキによってパリ市内のごみ収集が妨害されたほか、ライン川の船の運航が停止された。

デモ参加者
「何百万人もの人々が街頭で抗議しているのに、なぜ彼らは民衆の言うことに耳を傾けようとしないのか。われわれは64歳まで働きたくない」
「大統領が国民に対してもっと心を開いてくれること、仏国民全体に語り掛けてくれることを期待してる。われわれのデモを見て、エリゼ宮から出てきてほしい」

憲法院が承認すれば、政府は同法を公布することが可能となる。時に暴力的になりながら、長く続いた年金改革をめぐる抗議活動が収束に向かうことへの期待も出ている。だがデモ隊は、たとえ憲法院が法案を認めても闘いを続けるとしている。デモ隊は法案を国民投票にかけるか、議会へ差し戻すことを求めている。

一方で、抗議運動はやや勢いを失っている。直近数週間のデモは、抗議運動が始まった当初の100万人規模に比べると参加者の数が減っている。

（ロイター通信）