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- 23/03/14 20:59:26
夫の育児時間 宮崎県は30分で全国最長 2つの有利な事情
03月08日 14時55分
8日は国際女性デー。
子どもがいる女性が社会で活躍するうえで欠かせない「夫の子育て参加」。
その時間が全国で最も長いのが宮崎県です。
理由を探ると地方ならではの「有利な事情」があることが見えてきました。
「宮崎の男性が最も子育てに時間をかけている」。
そんな結果が示されたのは、国が5年に1度行っている「社会生活基本調査」です。
去年発表された最新の結果をみると、子どもがいる共働き世帯の夫が育児にかける時間は、宮崎県は30分。
「たったそれだけ?」と思われるかもしれませんが、全国平均は20分で、宮崎県はその1.5倍。
47都道府県の中で最も長くなっています。
前回の調査では16分でしたので、一挙に倍近く長くなりました。
宮崎県の夫はなぜ長い時間、子育てに参加しているのか。
ジェンダーが専門の宮崎公立大学の四方由美教授が注目しているのが、地方特有の「有利な事情」です。
まずは住まいと勤め先が離れておらず、通勤時間が短いこと。
同じ調査で宮崎県の通勤・通学時間をみると、片道およそ28分(往復56分)と山形県と並んで全国で最も短くなっています。
もうひとつが、遅くまで働く人が少ないことで、2つの要素を合わせた「仕事を終えて家に帰り着く時間」を同じ調査で見ると宮崎県は午後5時57分。
トップの愛媛県と3分しか違わず、全国でも4番目に早くなっています。
四方教授は「宮崎県は特に職場と住まいが近く、夫が家事・育児に参加する条件が整っている。夫が長い時間、子育てに参加することで妻の側も働きやすくなり、組織の中で責任あるポジションを任せられることにもつながっていく。こうした動きが家庭からほかの分野にも広がり、ジェンダー先進県となることを期待している」と話していました。
宮崎市で夫婦で共働きしながら4歳の娘を育てている会社員の春田隼平さん(29)は、県平均の6倍にあたる1日およそ3時間を子育てにあてています。
今月6日、春田さんは勤務先の宮崎市内のデザイン会社を定時の午後6時で退社し、マイカーを運転して30分ほどで自宅に帰り着きました。
先に仕事が終わる妻の遥香さん(28)が作った夕飯を3人で食べると、春田さんは皿洗いや翌日のお弁当の具材づくりをしたあと、長女の虹香ちゃんをお風呂に入れ、午後9時すぎに寝つくまで一緒に過ごしていました。
春田さんは「2人の子どもを2人で育てるのは当たり前で、家事や育児も半分ずつ、お互いが余裕を持ってできるようにと考えています。周りでも午後7時ぐらいには家に帰っている人が多く、通勤に時間がかかる都会に比べると、宮崎はのびのびと育児をしやすい場所なのかなと思います」と話していました。
妻の遥香さんは現在はフルタイムの事務職員として働いていますが、将来、独立してカフェを開く夢を持っていて、春田さんの子育てへの関わりを心強く感じています。
遥香さんは「店を開く勉強のために学校に通いたいと考え、夫に『子どもがまだ小さいけどどうかな』と相談したら、全然大丈夫だよと言ってくれました。夫のサポートもあってやりたいことに踏み出しやすくなっています」と話していました。
春田さんが働く会社が残業なしの定時での退社を原則としていることも、男性社員の子育て参加につながっています。
この会社ではこうした取り組みを理解せず、無理な納期を指定してくる取引先からは受注を受けないようにして、定時退社を実現しているということです。
竹原沙織専務は「当初は社員も独身ばかりで残業が当たり前でしたが、いずれ家庭を持ったり、介護が始まったりして『このままの働き方では会社の未来がない』と考えました。私もいつも午後5時には退社して、『こういう働き方でいいんだ』という空気を作るようにしています」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/miyazaki/20230308/5060014930.html
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