宮世琉弥「戻れるなら…いつかここに」 7歳で被災、俳優になって叶えたい夢 #知り続ける

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      23/03/11 14:24:11

    「戻れるなら、いつかここに戻ってきたい」

    震災当時の辛い経験から、地元に戻ってくることを避けていた宮世さん。しかし、今​回12年ぶりに当時の地元を訪れた。俳優という仕事を選んだことで、自分の役割に気付いたからだという。

    「今の僕にできることは当時の記憶や思いを発信していくことだと思うんです。“被災”と言っても経験したことは1人1人違います。自分も伝える側になるのだったら、自分のいのちがどのようにして守られたのか、向き合いたいと思ったんです」

    3.11を風化させたくないという強い思いで、宮世さんは地元に立った。

    「戻れるなら、いつかここに戻ってきたいですね」

    現地を歩きながら、宮世さんは何度かこうつぶやいた。そう思うのはなぜなのか。

    「震災前、父と鳴瀬川や野蒜(のびる)海岸に釣りに行ったり、マロと近所を散歩したり、みんなでよくバーベキューしたりとか、楽しい思い出がたくさんあるんですよね。避難生活の間も、両親は僕を笑顔にしようとしてくれていた記憶があるんです。ボランティアで来てくれた人たちも色んな遊びを教えてくれたりして…だから辛い記憶、ばかりじゃないんです」

    思い出すのを避けてきた辛い記憶が残る場所。しかし、そこに戻って思い出したのは支えてくれた人たちの優しさだった。
    12年が経った今、初めて感じることもある。

    「きっと当時は、両親や周りの人たちが僕に知らせなかった大変なことが本当に沢山あったんだろうなって。でも両親はそれを極力見せないようにしてくれていた。当時の体験は辛いことだけど、僕の原点はやっぱりこの場所のままだなって思います」

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