２０２３年度前期連続テレビ小説【らんまん】 へのコメント（No.26）

「病弱な跡取り」

緑豊かな森で青年の声がしました。これが、今回のNHK朝ドラ「らんまん」の主人公・槙野万太郎（神木隆之介）である。

万太郎
かわいいのう。ふさふさしたのがついちょう。これは、雄花じゃろうか？
植物に顔を近づけるうちに、万太郎の目がキラキラと輝きはじめます。

万太郎
おまん、見たことないのう。ひょっとして、新種かえ？初めまして。

1867年（慶応3）3月、5歳の槙野万太郎（森優理斗）は、小さな葉っぱをつついていました。

万太郎
昨日まで、ひらいておらんかったよね？葉っぱは、ちんまいのう。まるこいのう。

ここは、土佐の佐川村にある「峰屋」。銘酒「峰乃月」で有名な蔵元でした。万太郎は、その峰屋の跡取り息子です。
縁側で草花をみているところ、万太郎がくしゃみをしました。

たま
坊ちゃん、どうなさいました？

万太郎の足がでていたので、たま（中村里帆）が万太郎をひっぱりだすと、万太郎は土だらけになってくしゃみをします。

たま
大奥さんに知らせんと。

万太郎
なんちゃやない。みよっただけじゃ。

たま
猫でもおりました。それより、坊ちゃん今日が来るのを楽しみにしてたのでは？

万太郎
そうじゃった。

万太郎は、廊下を走って母・ヒサ（広末涼子）のところに行きました。

万太郎
お母ちゃん、今日ごちそうじゃ。

ヒサ
万太郎、挨拶は？

万太郎
おはようございます。ねえ、お母ちゃん。お菓子もあるやろか？

ヒサ
よう似合ってるね。今日は、みな忙しいからいたずらしたらいかんぞね。

万太郎
うん。

そういって、外にでると姉・綾（太田結乃）とぶつかりそうになりました。万太郎は、峰屋の酒蔵に向かいました。

その日、甑倒し（こしきだおし）が行われていたので、蔵人たちの歌声が響いていました。この後、酒造りのために半年間働いていた人たちが宴会をするのが毎年のことでした。

峰屋にとって大事な1日ですが、万太郎にとっては、その日はご馳走がもらえる日でした。さっそく、万太郎は女中の目を盗み山椒餅を2つとります。

一つは自分の口に入り、もう一つはもって出かけるためでした。その後、万太郎はこっそりと友達の堀田寛太（新名基浩）の家に向かいます。

お菓子を寛太にもあげることを約束していたのです。しかし、体がよわかった万太郎は寛太の家の前で倒れてしまいます。

万太郎が気がついたときには、自分に家に寝かされていました。寛太の父で医師・鉄寛（綱島郷太郎）が介抱して連れてきてくれたのです。

万太郎はタキ（松坂慶子）に叱られます。

タキ
おまんは、どうして走ったが。どうして？

万太郎
みんな、走りようよ。

タキ
お前は、みんなとは違う。ええき、寝よりなさい。

万太郎
どうして、わしはみんがと違うんが。
不満を漏らしつつ、万太郎は部屋で寝ていました。

槙野家では、領主深尾家の御用掛を務める豪商で、名字帯刀（武士ではないのに苗字をもち、刀を持つこと）が許される家柄でした。

万太郎が寝ていると、座敷では宴会がはじまりました。宴会には、分家の豊治（菅原大吉）や紀平（清水伸）もきていました。

万太郎が倒れたことを聞いた豊治は、陰口をたたいていました。

豊治
あいつ、また倒れよったぞ。本家の当主が顔も見せんと。ただでさえ酒蔵をしきっちゅうがばあさまやゆうのに、この先あの弱ミソが

しかし、それをきいたタキが激怒します。

タキ
豊治、今なんて言うた。分家の分際で。もういっぺん言うてみ。

豊治
わしらも案じゆうがじゃ。じいさまをいっぺんに亡くして、ばあさまも大変やったろ？わしらを頼ってくれっち。

タキ
いらん心配じゃ。お前らが束になっても、万太郎一人にかなわん。

タキは分家の2人にぴしゃりと言いました。

以上、４月３日（月）放送予定　らんまん第１話のあらすじです。

出典：ドラマ情報館