- なんでも
- ポケ
- 22/12/12 22:15:14
なぜ、ウクライナは苦境に立たされているのか。それは、「自国を守るのは自国の軍隊」という大原則を忘れたせいだ。
ソ連崩壊後、ウクライナは世界第3位の兵器・核保有国だった。ウクライナが核兵器を放棄する代わりに、ロシアと米国、英国が安全保障を約束するという「ブダペスト覚書」を交わした。強大な軍事国家である3カ国が平和を保障してくれると信じたウクライナは核兵器を手放し、兵器を売り払い、わずかな軍事力しかない国となった。
ブダペスト覚書で、ウクライナを守る立場にあるロシアは2014年、クリミアを一方的に併合した。さらに、ロシアは今年2月、ウクライナ侵攻を開始した。覚書の締結国である米国と英国が、ウクライナのために参戦することはなかった。
ロシアが核使用をほのめかすなか、ロシアを非難する国はあっても、武器供与や物資支援だけにとどまり、参戦してはくれない。外国との約束に頼り切ることが、いかに恐ろしいかが良く分かる。結論を言おう。「自国を守れるのは、やはり自国民だけ」なのだ。
これは、日本にも当てはめることができる。日米安全保障条約で、米軍が軍事的脅威から守ってくれると妄信してきた日本は、米軍が参戦するまでの最低限の武力保持で十分と考えてきた。本当に大丈夫だろうか?
中国や北朝鮮を軍事的脅威と考える人は増えてきたが、ロシアも虎視眈々と北海道を狙っている。ロシアのオンラインメディア「レグナム通信」は今年4月、セルゲイ・ミロノフ下院副議長の「一部の専門家によると、ロシアは北海道に全ての権利を有している」との発言を報じた。
ロシア軍は今年9月、北方領土や日本海、オホーツク海など極東各地で戦略的軍事演習「ボストーク(東方)2022」を実施した。中国やインドなど計14カ国の兵員5万人以上が参加した。中国海軍とロシア海軍の艦船計7隻は9月上旬から1カ月ほどかけて、日本列島を半周した。
「台湾有事」が勃発すれば、日本は、中国とロシア、北朝鮮という3正面から攻撃される可能性もある。そうなれば日米安保だけはとても足らない。自衛隊が強くなければ、国は守れない。
ブダペスト覚書で分かるように、外交は水ものだ。他国との約束は「裏切られた場合」も想定したうえで結ぶものだ。米国には戦争制限法という法律があり、大統領が派兵しても議会が反対すれば即時撤退することになる。「日米安保があるから大丈夫」というわけではない。国民の生命と財産を守り切る防衛力・継戦能力を強化する努力を怠ってはならない。
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