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動機は“カレーのおすそ分け” 母親を自殺させた息子「長生きしてほしかった」法廷で涙の謝罪
2022年11月25日(金) 18:44
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◆幼少期から好きだった“母の手作りカレー” 隣人におすそ分けされ激高
検察側の冒頭陳述などによりますと、被告は当時、長距離トラックの運転手として勤めていて、平日は仕事のために家を空けることが多かったといいます。事件の4日前の8月12日から、お盆の休暇のために自宅に戻り、その日に母親にカレーを作ってもらっていました。自宅では酒を飲むなどしてお盆休みを過ごし、13日には母親と共に墓参りにも出かけていました。
犯行当日の16日午前6時ごろ、カレーが全てなくなったことに気づいた被告は、寝ていた母親を起こしてただすと、母親は「隣の人に分けた」と答えます。検察は、楽しみにしていたカレーを隣人におすそ分けされ、粗末に扱われたと感じた被告が激高し、母親に向かって「生き方を正せ」などと暴言を浴びせた後、殴る蹴るなどの暴行を加えたと指摘。さらに母親の謝罪が気に入らず、台所から包丁を持ち出して「はよ死.ねや」と迫ったと主張しました。母親はその後、納屋でロープを使って首をつり死亡しました。
◆「長生きしてほしかった」被告が謝罪
本人尋問で、証言台に立った被告は「本当に母には残酷なことをしてしまったと、申し訳ない気持ちでいっぱい。事件前まで、母には長生きしてほしいと思っていた。酒を飲みすぎてしまった自分の行動がダメだった」と涙ながらに謝罪しました。
弁護士に、母がどういう気持ちで死を選んだと思うかと問われると「暴力と暴言で、母は絶望してしまったと思う」と述べ、「実家に戻ったとき、母のいない暮らしが始まると思うと本当に寂しい」と言葉を詰まらせました。
◆「酒がなければ…」お盆休みで大量の酒を用意
被告は仕事から帰るとき、母の健康を意識してステーキ肉やすき焼肉、季節のフルーツ、アセロラドリンクなどを買って帰っていたとし、酒を飲んでいないときは親子仲が良かったと主張。一方で、酒を飲むと「楽しいときは楽しくなるし、怒っているときは倍増される」と、理性を失うことが以前にもあったことを明かし、犯行前後のお盆休みのために「第3のビール」の500ミリ缶を12本と、900ミリの芋焼酎1本を用意していたことも証言しました。
そして母親に向かって「はよ死.ねや」と暴言を吐いたことについては「本気で怒っていることを分かってもらいたかった。ずっと一緒に居たかった。酒がなければ絶対にあのようなことはなかった」とし、今後はカウンセリングを受けて酒を断つことを誓いました。(略)
◆「あまりにも幼稚かつ自己中心的」
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そして、裁判長が判決を読み上げました。
「主文 被告人を懲役3年に処する。未決勾留日数のうち40日をその刑に参入する。この裁判確定の日から5年間、その刑の執行を猶予する。被告人をその猶予の期間中、保護観察に付する」
被告はじっとうつむいたまま判決を聞き、裁判長が主文を繰り返すと、顔を上げてうなずいていました。(略)
◆「断酒を約束してください」保護観察へ
判決の読み上げが終わると、裁判長は執行猶予と保護観察について、被告に説明しました。裁判の中で酒を断つと誓っていた被告に対し、裁判長は「断酒をしてください。保護観察で約束事として設定してください」と求めました。被告は「はい。ありがとうございます」と答え、閉廷すると、裁判長と弁護士、検察官に向かってそれぞれ一礼しました。(以下略)
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/mro/214173?display=1- 0
22/12/12 10:49:38