- なんでも
- トリカブト(致命的なこと)
- 22/06/15 14:14:19
日刊ゲンダイより
ずさんな安全管理体制が原因で、あれだけ凄惨な事故を起こしておきながら、よくもまぁ、そんな「主張」ができたものだ。
北海道の知床半島沖合で4月、観光船「KAZUⅠ」が沈没した事故。国交省は運航会社「知床遊覧船」(斜里町)の事業許可を取り消すにあたり、14日、同社側に釈明の機会を与える「聴聞会」を実施した。
ところが午前9時30分に開かれるはずだった聴聞会には、桂田精一社長(58)はおろか、代理人を含め、会社側の関係者は誰も出席しなかった。前日13日に提出された陳述書で、桂田社長は「事故の責任を会社のみにあるとするのはおかしい。責任は監督官庁の国にもある」と、不服を主張したという。陳述書には事故原因に関する記述はなく、社長らが聴聞会を欠席する理由も書かれていなかったそうだ。
北海道運輸局海事振興部の担当者がこう説明する。
「前日の午後5時ごろ、代理人から『桂田社長も代理人も出頭しません』と連絡がありました。出頭するかどうかは、あちらの意思です。気が変わることも考えられるので、予定通り、当日午前9時30分から聴聞を始めました。監査の項目など、取り消し処分に関する説明をして陳述書をもとに手続きを行いました」
運輸局は聴聞の結果を踏まえて、6月中にも処分する方針だ。
■自ら法令違反を繰り返しておきながら
桂田社長は国に責任を押し付けることで、少しでも批判の矛先を国に向けようとしているのだろうか。国の責任が明らかになれば、桂田社長に有利になるのか。
「まったく理解不能というか、むしろ逆効果です」と弁護士の山口宏氏がこう続ける。
「警察に捕まった泥棒が、取り調べで『警察がもっと防犯パトロールをやってくれてたら、泥棒なんかしなかったのに』と言っているようなものです。社長はああいうキャラですから、公の場に姿を現すと、かえって逆効果と考えたのかもしれませんが、そこをカバーするのが代理人の役目です。弁明したいことがあれば堂々と主張すればいい。代理人だけでも出席して、事情を説明すればいいだけの話です。聴聞会を欠席すれば監督官庁や世間からの心証が悪くなるだけで、デメリットこそあれ、何のメリットもありません」
地元関係者がこう言う。
「徐々に観光客が戻ってきていますが、桂田社長が経営する複数のホテルは避けられているようで、どこもガラガラです。観光船は廃業になり、宿泊業もうまくいかないとなればお先真っ暗です。前途を悲観してなのか、最近になって周囲に『死にたい』とコボしているようです」
観光船事業ができなくなるだけでは済みそうにない。
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