- なんでも
- バス
- 22/04/12 00:16:55
感染者の4人に1人は半年たっても何らかの症状を抱えているという調査もある。後遺症が起こる原因は不明な点も多く確立された治療法はない。仕事や家事に大きな影響が出ることもあり、専門家は「周囲の理解と受け皿となる医療機関の体制強化が必要」と指摘
感染判明後は宿泊療養施設に入ったが、肺炎が悪化したため中等症で入院。10日間ほどで体調が安定し退院した。1カ月後、「脚や腕に力が入らない」という感覚に襲われる。掃除や料理の時に立っていられなかった。髪を洗うたびに排水口は抜け毛でいっぱいに。気分も落ち込んだ。
第6波の感染拡大で2月以降は特に患者が増えているという。だるさや頭痛、集中力の低下を訴える人が多く、8割が40代以下。
国立国際医療研究センターが昨年10月に公表した調査結果によると、感染者457人のうち120人(26・3%)に半年後も、だるさや味覚障害、脱毛などの症状があった。厚生労働省は昨年12月、地域のかかりつけ医が対応できるように、後遺症に関する診療の手引を公表。福岡県は今年2月に後遺症の相談窓口を設け、受診先に関してなど1300件以上の相談を受けたという。
後遺症外来がある熊本機能病院(熊本市北区)でも、2~3月は患者が急増。今後、さらに増える可能性もある。医師に症状を理解してもらえずに複数の医療機関を回る人もおり、宮崎博喜医師は「地域の開業医で積極的に受け入れられるように、医師会などが研修や啓発活動に力を入れ、知見を共有することが求められる」と指摘する。
「第7波」がささやかれる中、後遺症を的確に診ることができる医療体制が急務だ。かかりつけ医を受診して2カ月以上長引けば、詳しい検査ができる専門外来がある病院へ-。宮崎医師はこの体制をつくるために「地域の拠点病院は後遺症の専門外来を開設してほしい」と訴える。
英健康安全保障庁は15日、ワクチン接種と後遺症に関わる世界の研究論文15件について検討した結果を発表した。
事前に規定回数のワクチンをうつことで、感染しても後遺症を起こす割合をほぼ半減でき、その効果は60歳以上の高齢者でより高く、35歳以下の若い世代では低いとした。
たとえば、イスラエルの研究によると、ワクチンを事前に2回ないし3回うって感染した人は未接種で感染した人に比べ、後遺症を起こすリスクが疲労感で64%、頭痛で54%、手足の筋力低下で57%、筋肉痛で68%、それぞれ低かった。1回接種では効果はみられなかった。
- 0 いいね