• No.45 良い文の例です

    22/04/09 09:24:57

    良い文の例↓

    私は、一九四四の秋に妻を喪ったが、ごく少数の知古へ送った死亡通知のほかに、満州にいる魚芳へも葉書を差し出しておいた。妻を喪った私は悔やみ状が来る度に、丁寧に読み返し仏壇のほとりに供えておいた。紋切型の悔やみ状であっても、それにはそれでまた喪にいるものの心を鎮めてくれるものがあった。本土空襲も漸く切迫しかかった頃のことで、出した死亡通知に何の返事も来ないものもあった。出した筈の通知にまだ返事が来ないという些細なことも、私にとっては時折気に掛かるのであったが、妻の死を知って、本当に悲しみを分かってくれるだろうと思えた川瀬成吉からもどうしたものか、何の返事もなかった。

コメント

古トピの為、これ以上コメントできません

広告

返信コメント

  • まだコメントがありません

投稿するまえにもう一度確認

ママスタコミュニティはみんなで利用する共有の掲示板型コミュニティです。みんなが気持ちよく利用できる場にするためにご利用前には利用ルール・禁止事項をご確認いただき、投稿時には以下内容をもう一度ご確認ください。

上記すべてをご確認いただいた上で投稿してください。