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- 22/03/19 12:39:37
<地震>震度6強 「やっと直ったのに」 また修理「お金ない」 /福島
毎日新聞2022年03月19日05時49分
16日深夜に発生し、最大震度6強を記録した地震の影響で地盤が緩んだ可能性がある沿岸部では18日、みぞれが降った。被災者らは凍えながら、傷んだ屋根をブルーシートで覆っていた。【磯貝映奈、肥沼直寛、尾崎修二】
◇心暗く覆うブルーシート
震度6弱を観測し、2021年2月の福島県沖地震でも震度6強を観測した新地町では、建物の屋根や壁がはがれるなどの被害が確認され、広い範囲で断水している。いまだに窓枠や瓦の落ちた屋根をブルーシートで覆う家屋が点在し、1年前の地震の被害が色濃く残る。
同町福田で1人で暮らす岡崎文夫さん(86)は就寝中に大きな揺れに襲われた。ふすまが倒れ、壁掛けの大きな時計が落ち、外壁のタイルがはがれた。一時停電し、暗闇の中で「大きな本棚が倒れたら下敷きになってしまうのではないかと不安だった」と振り返る。
昨年2月の地震では屋根瓦が落ちるなど木造平屋建ての自宅の一部が損壊し、今も屋根の一部をブルーシートで覆っている。「年金暮らしで金はないし、高齢なのでいつまでこの家に住めるかも分からない。直しても、また地震が来るかもしれないと思うと修理できない」。今年2月の取材でそう話していた直後に、追い打ちを掛けるような地震が起きた。東日本大震災が起きた時には近くまで来た津波にのみ込まれることなく残った愛着のある自宅が、また傷んだ。
岡崎さんは雨漏りを恐れ、17日に町役場に出向いてブルーシートを3枚もらった。断水中のため給水場にも立ち寄り、1時間以上並んだ。「朝が来るまで不安だった。早く水を復旧してほしい。運ぶだけで1日が終わってしまう」と嘆いた。
新地町谷地小屋の農業、加藤勇馬さん(79)は昨年2月の地震で木造2階建ての住宅が損壊し、屋根瓦が落下した。修理工事の順番待ちで、今年2月中旬にようやく修理工事が始まったばかりだった。張り替えが終了する段階に入ったところで、今回は自宅の塀が一部崩れ、木造平屋の物置小屋の屋根が潰れた。
妻と娘の3人暮らしで、ネギとホウレンソウを作る3代目の加藤さんは「やっと直ったのにがっかりだ。もう業者に頼む金もないので、自分で修理するしかない」と途方に暮れていた。
新地町は17日午後、役場を訪れた約300人にブルーシート3〜5枚を配布した。昨年の地震でも大量に必要とされたため、ブルーシートは備蓄していたという。18日も午前10時から配布を始めた。町の担当者は「昨年の地震被害で改修した家も多く、屋根を瓦から合板に変えた家も多い。屋根の破損や瓦の落下の被害は昨年より少なければいいが……」と話した。
新地町に隣接する相馬市も17日にブルーシートを約1000枚配布した。備蓄分に加えて他の自治体や企業から支援を受けており、18日は3500枚を配る予定だ。南相馬市は17日に多数配布しており、協定を結ぶ他の自治体や支援の申し出のあった企業からブルーシートを集めている。
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