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- 22/03/11 12:25:53
「ウクライナを攻撃していない」持論に終始…ロシア外相の発言意図は?専門家解説
[2022/03/10 23:30]
ロシアがウクライナへの侵攻を開始してから初めて、両国の外相会談が行われました。
会談では「人道回廊の確保」「停戦について」「会談の継続」「首脳会談の開催」などについて話し合われたとみられます。
会談後の会見では、両者の温度差が明らかになっています。
ウクライナ、クレバ外相:「ロシア側は停戦を成立させる気がない。要望はウクライナの降伏」「マリウポリ発着の人道回廊の設置合意は得られなかった」
ロシア、ラブロフ外相:「他国を攻撃するつもりはない。ウクライナも攻撃していない」「ロシア経済は自分たちで面倒を見る」
◆ロシア情勢に詳しい、防衛省防衛研究所の兵頭慎治さんに聞きます。
(Q.今回の外相会談をどうみますか)
軍事侵攻後初の外相会談だったので、事態の打開に向けた糸口が掴めないかと期待しましたが進展はありませんでした。それどころか、停戦に関しても、歩み寄る交渉に関しても、ロシア側は全く応じる態度ではなかったことを残念に思います。
今回の会談は、ロシア側の主張すべてをウクライナ側にのませるための外交的圧力をかけたようにみえます。外交圧力もかけながら、ウクライナを追い込もうとしている感じがあります。
ラブロフ氏は18年、外相をやっていて、ロシアの外交的立場を国際的にアピールするスポークスマン的な役割を担っています。今回の外相会談は、国際社会に改めて、ロシアの主張を大々的に伝える場に利用された感じもあります。
◆会談が開かれたトルコ・アンタルヤにいる伊従啓記者に聞きます。
(Q.ラブロフ外相の記者会見は、どんな雰囲気でしたか)
まず、非常に注目度が高かったと言えます。ウクライナ侵攻後初めて、ロシアの外相が西側に出てくる、直接質問できるということで、非常に多くのメディアが集まりました。発表では、34の国から400人のジャーナリストが集まったということです。
会見では、西側メディアからはたびたび、辛らつな質問が飛びました。今回の会談では、実質的には何も進展せず、ラブロフ外相に対して「あなたはこの場に何を用意してきたのか」と問う記者もいました。
会談内容とは別に、ウクライナで起きた小児病院への攻撃に関しては、3度にわたって質問が飛びました。ラブロフ外相は最初「あの病院は過激派によって占拠されていた。患者はいなかった」と説明していましたが、3度目にもなると「あなた方は私の言っていることを何も聞いていない」といら立ちをみせるシーンもありました。
この場に集まっているメディアのなかにも「多少は進展するのではないか」と期待する声がありましたが、実質的に何もなかったというのが結果だと思います。ラブロフ外相は「実質的な協議はすべてベラルーシで行われていて、ここではない。同じ問題について、別の場所で別の人間が協議することに意味はない」として、この場所で交渉・協議をする気がなかったことを明らかにしています。ロシアとしては、話し合いには応じるが、ゼロ回答しか用意していなかったという印象を受けました。
>>1に続く
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