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ここで注目すべきは、女性天皇は存在したが、女系天皇は一人も存在しなかったということだ。女性が中継ぎとして天皇の座につくことはあっても男系でつないできた。男にしかなく父から息子へと受け渡される性染色体Yについては途切れるとか、別のものに変わるということはなかったのだ。
人間は22対の常染色体と一組の性染色体を持っている。性染色体は女でXXで、男でXYという状態だ。常染色体と、女の性染色体の場合は対になっているので生殖細胞がつくられる際に交差が起きる。染色体のどこかに切れ目が入り遺伝子を交換するのである。
ところが男の性染色体であるXとYは、対になっていない。そのため交差が起こらないのだ(ただし厳密には、最末端部分では交差が起きるが、その他の部分では起きない)。よってYは父から息子へまるまる一本、ほとんど変化することなく受け継がれる。
日本の皇室では少なくとも、そして知りうる限り、千数百年にわたり、ほとんど同じYが受け継がれている。Xや常染色体上の遺伝子は交差などによってばらばらとなるなど、世代を経るごとに変化するのに対し、Y上の遺伝子はしっかりと保存されているのだ。
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22/02/23 16:57:26