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- 21/12/09 16:44:14
ガラケーではありません 謎の装置がスイスの「自殺幇助」の未来を変えるかもしれない
スイスでは、妙に未来的な棺型のカプセルが自殺幇助に使われることになるかもしれない。
この「サルコ」の開発者にスイスの公共メディア「SwissInfo」が取材し、その概要をスイスのフランス語メディア「ル・タン」が報じている。
【動画】未来的なデザインの自殺幇助装置「サルコ」
このカプセルを開発したのは、オーストラリア人の医師フィリップ・ニチキだ。ニチキはこれを2022年には市販したいと考えている。
「カプセル内に窒素が充満する仕組みで、低酸素症(酸素供給の不足)と低炭酸症(血液中の二酸化炭素量の低下)によって」死に至るという。
3Dプリンターで製造されるこの装置は、内部に寝そべった人がボタンを押してガスの放出が始まる前に、AIを使って質問し「本人の知的能力の確認」もするという。つまり、医師の幇助が不要なのだ。
「意識を失う前に少し頭がぼんやりし、やや陶酔感もある。パニックや窒息感はありません」とニチキは言う。
オーストラリアを拠点とするニチキ主導の安楽死を推進する活動団体「イグジット・インターナショナル」は法律の専門家に見解を求め、この装置は「スイス連邦のさまざまな法的障壁」を乗り越えられるだろうとの確認がとれているとル・タンは報じている。
「法的問題はありません」とニチキはコメントしている。
「ただのかっこいいガス室」
いまのところ、スイスで認められているのは、強力なバルビツール酸系睡眠薬のペントバルビタールを投与する自殺幇助だけだ。
スイスの年間平均死亡数6万7000人のうち、1.5%が自殺幇助による死だ。
ニチキはサルコをとおして、臨終プロセスを「容易にする」という彼の熱意を示している。
「このプロセスから精神鑑定の類いをすべてなくし、個人が臨終の方法をコントロールできるようにしたいのです」
「オーストラリア人医師が構想したこのシステムは、実質面・形式面の双方で多くの問いを呼び起こすものだ」とル・タンは報じている。
その未来的な美学や、人に「自身の仮想的な死を生きる」ことを認める使い方が、自殺幇助を「美化している」との批判もある。
同プロジェクトが2018年に紹介されたオランダでは、「これはただのかっこいいガス室だという拒否反応もあった」とニチキ自身が英紙「インディペンデント」に明かしている。
目下、サルコの試作品は2機だけだ。スイス向けの3機目がオランダの3Dプリンターで製造されているところだ。 https://news.yahoo.co.jp/articles/139959747c55d3bf7e3682b471c8decfa596e684
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