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- 21/12/03 07:28:37
富士山直下で2000年10月、低周波地震が観測され、「マグマだまり」が生きていることが大きなニュースとなった。これがきっかけとなり、静岡、山梨、神奈川3県などは01年7月、「富士山火山防災対策協議会」を組織し、最初のハザードマップ(災害予測図)を04年に作成した。今春のハザードマップ改定は17年ぶりとなる。
今回は低周波地震などの噴火の前兆現象について解説しよう。現在、富士山の地下約20キロには、高温の液体マグマで満されたマグマだまりがある(図)。これが地表まで上がってくると噴火が始まる。
噴火の前にはさまざまな前兆現象が観測される。まずマグマだまりの上部で「低周波地震」と呼ばれる、ユラユラ揺れる地震が起きる(図のa)。人体に感じられない小さな地震だが、しばらく休んでいたマグマの活動が始まったときに起きる。低周波地震は、通常の地震と違ってゆったり揺れる地震のことをいう。
簡単にいえば、岩石がバリバリと割れる時に我々が日常生活で経験する「高周波」の地震が起きる。それに対して、地下にある液体などがユラユラと揺らされた場合には低周波地震が起きる。低周波地震はマグマ活動の初期に必ず起きるので、噴火予知では非常に重要である。いわば、火山の「休止期」が終了したことを示すサインなのだ。
次に、マグマが上昇してくると、通路(火道)の途中でガタガタ揺れるタイプの地震が起きる。人が感じられるような「有感地震」であり、高周波地震である(図のb)。地震の起きる深さは、マグマの上昇に伴って次第に浅くなっていくので、マグマがどこまで上がってきたかが分かる。
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