• No.1 トウガラシ

    21/09/15 18:05:41

    ■米インド太平洋軍「日韓防衛への米の関与は確固たるもの」

    アメリカのインド太平洋軍は15日声明を発表し「われわれはミサイルの発射を把握しており、同盟国などと緊密に協議している。今回のミサイルの発射はアメリカの人々や領土、あるいは同盟国への差し迫った脅威ではないと判断しているが、北朝鮮の不正な兵器の計画は地域の不安定化に影響を与えるものだ」としています。

    そのうえで「日本と韓国の防衛に対するアメリカの関与は確固たるものだ」として地域の安定化に向けて日韓両国と引き続き連携する姿勢を強調しました。

    ■米政府 公式な反応なし 詳細分析か

    北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射されたことについて、アメリカ政府は、これまでのところ公式な反応を示していませんが、日本や韓国と詳細な分析を進めているものとみられます。

    朝鮮半島情勢をめぐってアメリカのバイデン政権は、北朝鮮問題を担当する国務省のソン・キム特別代表を東京に派遣し、14日に日米韓3か国の高官による協議を行うなど、非核化の実現に向けて日韓両国との連携強化を確認したところでした。

    北朝鮮がことし3月に弾道ミサイルを発射した際、バイデン大統領は弾道ミサイルの発射を禁じた国連安保理決議に違反すると批判し、北朝鮮が事態をエスカレートさせれば「相応の対応をする」と警告していました。

    また北朝鮮が13日、長距離巡航ミサイルの発射実験に成功したと発表した際には、アメリカのインド太平洋軍が声明を出して「北朝鮮が引き続き軍事的な計画を進めることに注力し、近隣諸国や国際社会への脅威であることを示している」と批判し、状況を監視するとしていました。

    ■バイデン政権 対話模索する姿勢

    アメリカのバイデン政権は、北朝鮮の核・ミサイル開発などの問題について、対話を通じた解決を模索する姿勢を示してきました。

    北朝鮮をめぐっては、トランプ前大統領が3年前の2018年に史上初めての米朝首脳会談の開催に踏み切り、その後も2回、開かれましたが、非核化をめぐる隔たりは埋まらず具体的な進展は見られませんでした。

    ことし1月に発足したバイデン政権は、同盟国の日本や韓国などと協議を行いながら対北朝鮮政策の見直しを進め、ことし4月までに作業を終えました。

    新たな政策の詳細は明らかになっていませんが、ホワイトハウス高官は「朝鮮半島の完全な非核化を実現するために外交交渉を行う用意がある」と述べて対話を通じた解決を模索する姿勢を示し、対立する中国にも協力を呼びかけてきました。

    こうした中で、ことし6月、北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記が「対話にも対決にも準備しなければならない」と述べて、バイデン政権発足後、初めて対話の可能性に言及し、アメリカ政府からは北朝鮮側の前向きな対応を期待する発言が相次ぎました。

    ただ、北朝鮮は対話再開の前提条件として、みずからを敵視する政策を撤回するよう求めていて、アメリカと北朝鮮が互いに相手の出方をうかがう状況が続いていました。

    続く
    ■韓国軍 “北朝鮮 弾道ミサイル2発発射”

    韓国軍の合同参謀本部は、北朝鮮が15日午後、中部の内陸から日本海に向けて弾道ミサイル2発を発射したと発表しました。

    韓国軍は「監視と警戒を強化しながら米韓で緊密に協力し、万全の態勢を維持している」と説明し、ミサイルの種類や飛行距離などについてアメリカ軍とともに詳しい分析を進めているとしています。

    韓国大統領府は、この後、NSC=国家安全保障会議を開いて対応を協議することにしています。

    北朝鮮は、今月11日と12日に新たに開発した長距離巡航ミサイルの発射実験に成功したと、13日発表したばかりで、この時には、北朝鮮の領土や領海の上空を2時間余り飛行して「1500キロ先の目標に命中した」としていました。

    北朝鮮をめぐっては、14日、日本とアメリカ、韓国の3か国の高官が協議を行い、引き続き日米韓の連携を強化していく方針を確認しました。

    北朝鮮としては、こうした連携をけん制するとともにミサイル開発を推し進める方針に変わりはないと示した形です。

    また、今月9日の建国記念日の閲兵式や相次ぐミサイルの発射で、新型コロナウイルスなどの影響で経済が打撃を受ける中、国威の発揚を図り内部の結束を強める思惑もありそうです。

    続く

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