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- 21/09/04 10:16:37
7月19日に特例承認された新型コロナウイルス感染症の治療薬「ロナプリーブ」。米国のトランプ前大統領が感染した際に投与を受けた。国内で、軽症感染者にも使える初めての薬だ。臨床試験(治験)では、重症化リスクのある人が重症化するのを防ぐ効果が7割あった。
米国など国外で実施された臨床試験では、投与を受けた感染者736人のうち入院が必要になったり死亡したり重症化した人は7人(1.0%)だったのに対し、偽薬の投与を受けた感染者748人では24人(3.2%)で、重症化リスクを減らす効果が70.4%と判断された。ただし、臨床試験の対象となったのは持病があるなどして重症化リスクの高い感染者だけだ。リスクの低い人の効果は確認されていない。
誰でも投与を受けられるわけではない。
酸素投与が必要になってしまったような重い中等症や重症患者は、効果が期待できないばかりか悪化する可能性もあるため対象外だ。
軽症や軽い中等症の患者でも、重症化リスクがないとみられる人は効果が不明なため対象外だ。
対象となる重症化リスクのある感染者は、国内の状況を踏まえ、臨床試験時とは少し異なる。厚生労働省の新型コロナウイルス感染症の「診療の手引き」では、対象となる重症化リスクのある感染者を、65歳以上の高齢者や2型糖尿病、慢性閉塞性肺疾患、がんなどの疾患をもつ人、BMI30以上の肥満の人、妊娠後期の妊婦などとしている。
感染後、なるべく早い時期の投与が望ましい。症状が出始めて8日以上経った人は効果が確認されておらず対象外だ。
この薬は約30分かけて静脈に点滴する。当初は入院患者が対象だったが、今は宿泊療養施設や臨時投与施設でも投与できるようになった。しかし、感染爆発で各地で医療崩壊が起き、25日、全国の自宅にいる感染者は12万人近くになった。
「頻度は低いが重い副作用が起きることがあるため、万が一の場合にすぐに対処できる医療従事者のいるところで投与した方が安全です。医療従事者が点滴後しばらく経つまで見守ることができるなら自宅でも可能ですが、医療従事者不足の中で現実的には難しいと思います」
懸念される副作用のひとつは、「インフュージョン・リアクション(輸注反応)」と呼ばれ、悪寒や吐き気、不整脈、発熱、頭痛といった症状が出る。この薬に限らず、遺伝子組み換え技術で作られた「モノクローナル抗体」の点滴で起きることがある。臨床試験では0.2%の人に起きた。点滴中や点滴後24時間以内に起きることが多いという。
さらに頻度は低いが薬剤成分に対する重いアレルギー反応で、血圧が低下したり呼吸困難になったりするアナフィラキシーが起きる可能性もある。点滴から30分以内に起きることが多い。
いずれも、適切な対応を速やかにすれば大事に至らない。(科学ジャーナリスト・大岩ゆり)
これを見ると、ワクチン接種の方で感染予防もした方がいいね
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