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- 尼子経久
- 21/05/03 08:14:08
聖火リレーは、約30台の車列が約800メートル続く。ランナーを先導するのは、大会スポンサーとなった企業の大型宣伝車。大音量で曲を流し、車上のDJ(ディスクジョッキー)が興奮を盛り上げる。
新型コロナウイルスの感染拡大のさなか、有名人ランナー目当てに集まる人々に企業がグッズを配り、群集の「密」も生じた。
4月、本紙のインタビューに応じた平井知事の口調は穏やかだが辛口だった。東京・秋葉原で生まれ育ち「東京の感覚は分かる」とした上で、「全国のリレーを東京基準で作るというのは合理的ではないのではないか」「地域になじむやり方がある」「商業主義と五輪の理想の調和を保つべきだ」と説いた。
◆100億円の協賛金 リレー中止できない理由
企業に広告を認める代わりに、莫大な協賛金を負担してもらう―。そんな「商業五輪」の源流は、1984年のロサンゼルス大会にさかのぼる。背景には、その8年前のモントリオール大会が巨額赤字を残したことへの反省があった。
東京大会の聖火リレーがスポンサー優遇に見えるのはなぜなのか? 答えは単純である。リレーの財源が、約100億円のスポンサーの協賛金だからだ。
国からの支出はない。都も他の道府県と同様に、都内の沿道警備や式典の費用を負担するだけだ。
「世論の批判を浴びたからといって、リレーを途中で中止したら、スポンサーから『逸失利益を支払え』と言われかねない」。組織委の幹部は自嘲気味に続けた。「商業五輪の醜い姿を示してしまった」
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長宗我部盛親