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◆アジア人団体の反応
訴えを起こした『全ての人に安全を』と呼びかけるグループの広報担当者サンレイ・タン氏は、今回、警察がちゃんと動いてくれたことに驚きと喜びを感じていると語る。以前なら、こういったアジア人の声は無視されてきた経験があるからだろう。
「6か月以内にツイートしたアカウントの身元が特定され、起訴されるのは驚きだ。これは、事の重要さが認識された証である」
フランスの若者による中国人協会(AJCF)の副代表は、「この裁判は、象徴的な側面もあります。もうSNSで(法に背くことを)何も書くことはできません。ネットという免責はもう終わりなのです」と語る。
アジア人に対する人種差別は、これまでも常に存在していた。しかし、移民第1世代の人たちは大きく反論してこなかったのだ。だが、第2世代、第3世代の若者はこの状況にうんざりしている。今回、このようにアジアの若者たちがSNSの差別に対して迅速に行動したのも、#MeToo運動や#BlackLivesMatter運動に触発されたことも大きい。今回の行動は、未来への一歩とも言えるのだ。
◆SNSでの差別発言は実刑になる時代
フランス・パリで働く、中国系のジャック・ユアさんは、「私たちの家族は、コロナよりも道端で暴漢に襲われることを恐れていました」と証言する。実際、この期間に道端で襲われたアジア人もいる。このような被害者を増やさないためにも、SNSで暴行を煽る人種差別的なコメントが許されていいわけがない。
今回の裁判は始まったばかりで、どのような判決が下されるかはまだわからない。しかし、現在のフランスでは、ツイッターに法に背く内容を書けば、刑務所に入れられることもありえる時代となったのは間違いない。差別用語をSNS上に書けばIPアドレスから特定され、最長で懲役3年に処されるのだ。
今回の裁判の結果は、今後のアジア人への差別にも影響してくる可能性もあり判決結果が気になるところだ。判決は5月26日に言い渡される予定である。
▲写真 被告の一人はパリ政治学院に通うエリート学生だった。写真は学院入口。
<参考>
21H56 : Société – Cinq jeunes gens jugés pour haine en ligne contre la communauté asiatique :
<9:56 PM: 社会-アジア系コミュニティへのオンラインヘイトで裁判にかけられた5人の若者たち>
À Paris, un procès « historique » contre le racisme anti-asiatique:
<反アジア人種差別に対するパリでの「歴史的」裁判>
Racisme anti-asiatique : 9 auteurs de tweets haineux jugés à Paris – Quotidien | TMC :
<反アジアの人種差別:憎悪に満ちたツイートをした9人がパリで裁判に>
トップ写真:ブラック・ライブズ・マター運動に触発された人種差別抗議デモ(2020年6月2日 仏・パリ) 出典:Pierre Suu/Getty Images- 0
21/03/29 19:48:27