• No.1 足軽(長柄)

    21/03/29 19:35:59

    ■真の運転士を求める精神主義の危うさ

     過酷なのは勤務の中身も同様だ。休憩時間は折り返しの合間のわずかな時間が中心で、勤務によっては食事の時間を確保することもできないという。また1分15秒以上の遅延や急病人救護などが発生すれば遅延報告書や乗務報告書の作成が求められ、こうした作業で休憩時間が削られていく。業務資料の作成や研修の一部はサービス残業扱いで、給与が発生しない。乗務員は疲弊していくばかりだ。

     次世代の現場の中心を担うべき若手社員が次々と流出すれば、これまで京急の強みとされてきたマンパワーすらも、いずれ機能不全に陥る可能性が高い。現場からは列車を減便し、仕業を削減してはどうかとの声も上がったというが、本社はかたくなに列車本数の維持にこだわり、労働環境の改善には至っていない。

     京急が理想とする乗務員の姿とは何なのか。元車掌のA氏から興味深い話を聞くことができた。以前、京急のある運転課長は運転士見習いを前に電車の運転士ではなく「京急の運転士になってほしい」と語ったという。

     どういうことか。運転課長はたまたま見かけた京浜東北線の運転士が「よそ見する、手放しする」などひどい勤務態度だったとして、彼らは「運転士ではなくて、ただ乗っているだけの人」。だからJR東日本は「お金をかけて勝手に電車が止まるようにしたり、ホームから人が落ちないように柵を付けたりしている」と言うのだ。そして、そうではない京急の運転士こそが真の運転士であるとして、運転士の卵たちに奮起を迫るのである。

     なるほど、確かに機械のバックアップに甘えて、基本動作がおろそかになるのは問題かもしれない。しかし、この人間優位の捉え方には根本的な誤りがある。人間優位とは、人間にしかできない、あるいは人間の方が優れた点を尊重する思想であって、機械のバックアップを不要とする考え方ではない。機械に頼らず、人間の手で仕事をしているから優れているというのは、ただの精神主義である。

     2019年の踏切事故後に始めた取材で話を聞いた現職・元職の京急社員の数は10人近くに上る。彼らが口をそろえて言うのは、声を上げたくても何もできなかったという無力感だ。しかし、彼らは同時にこう言う。「辞めていった人たちがようやく会社も変わったなと思えるように、残った元同僚の待遇が少しでも良くなるようにという思いで証言している」のだと。(以下略)

    https://diamond.jp/articles/-/266735

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