- なんでも
- 佐々木小次郎(強い)
- 21/02/03 11:51:05
菅義偉首相は2日、福岡など10都府県の緊急事態宣言延長に踏み切った。宣言は着実な効果を示し、新規感染者数は減少に転じているものの、病床の確保が思うように進まず、目指した宣言解除はかなわなかった。3月下旬には、東京五輪の聖火リレーの出発が控える。五輪の行方に政治生命が大きく左右される首相にとって、文字通り「勝負の1カ月」が待つ。 (東京支社取材班)
「感染者数が大幅に減少したことも事実だ」「対策は効果を上げている」
2日午後、衆参の議院運営委員会であった宣言延長に関する質疑。首相は、2月7日までの1カ月で解除できなかったことの責任を野党から繰り返しただされ、身ぶりも交えて反論した。実際、宣言対象地域の新規感染者数は目に見えて減ってきている。1日、東京の感染者が6週間ぶりに400人を下回ったとの報に接した首相は、「本当に良かった」と手放しで喜んだという。
もともと宣言には消極的で、「発出の遅れがウイルス感染拡大に拍車を掛けた」との批判も浴びた首相。だが今回の延長を巡っては、官邸内に反対論はほとんどなかった。
首相は1日、関係閣僚や官邸スタッフと断続的に延長の是非を議論。官邸幹部によると、栃木県のほか愛知、岐阜両県の宣言解除が具体的検討のテーブルに上った一方、福岡県や首都圏の延長は「既定路線」とされ、論点にならなかった。病床逼迫(ひっぱく)の改善が見通せないのが大きなネックとなった。
病床問題に業を煮やした首相が、たびたび厚生労働省幹部らを呼び出し「これだけ予算を積んでいるのに、なぜ指示が徹底しないんだ」と叱責(しっせき)する姿も目撃されている。行政の「目詰まり」へのいら立ちは政権内を侵食し、ある政府高官は福岡の対策にも「努力が足りない」と不満の矛先を向ける。
感染を沈静化させ、ワクチン接種を急ぎ、五輪・パラリンピック開催を確実とし、内閣支持率も上昇させていく-。描く政権浮揚戦略を、首相は現実のものとできるか。
新規感染者数の低落トレンドに、政府内では「(3月7日までの延長の)期限前に宣言を解除できるのでは」との楽観論もあるが、官邸幹部は手綱を引き締めた。「まずは病床確保に全力を挙げたい」
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内藤昌豊