- なんでも
- 長野業正
- 21/01/27 21:22:13
1/27(水) 19:58配毎日新聞
太平洋戦争の激戦地、硫黄島(東京都小笠原村)で収容された日本人の遺骨2体について、身元の特定につながる遺品がないまま遺族とのDNA情報の照合で身元が確認された。こうした方法で身元が判明したのは、太平洋中部のタラワ環礁(キリバス)の2体に次いで3例目。国内では初めてとなった。
田村憲久厚生労働相が27日の参院予算委員会で、白真勲議員(立憲民主党)の質問に答えた。厚労省によると、昨年12月の戦没者遺骨のDNA鑑定人会議で確認。硫黄島での2体は2010年度と14年度に収容されたもので、遺族からは「信じられない」「奇跡だ。本人も早く家に帰りたかったのだろう」といった反応があったという。
硫黄島では、1945年2月19日に米軍が上陸し、1カ月あまりの戦いで日本兵や軍属2万1900人が戦死した。硫黄島で収容された遺骨のうち、DNA鑑定が可能なものは528あり、今後も遺族の希望に応じて遺品なしの鑑定を行う。菅義偉首相はこの日の同委員会で、約1万人の日本兵が戦死したペリリュー島(パラオ)などにも対象地域を広げ、同様の鑑定を実施することを検討していると答弁した。
厚労省による戦没者遺骨のDNA鑑定は03年度に開始。記名がある遺品や埋葬記録などがあった場合に鑑定をしていたが、そうした遺品などが激戦地で見つかることはまれだ。硫黄島で1万体以上の遺骨が収容されているが、身元が分かったのは遺品などがあった2体だけだった。このため遺族らから「対象を拡大すべきだ」との要望が上がっていた。
厚労省は16、17年度に沖縄の一部地域で、遺品がなくても部隊記録などである程度身元が推定できる場合に限り鑑定を実施。20年度には、硫黄島とタラワ環礁にも対象を拡大し、鑑定の希望を受け付け。タラワでは約400件の申請があり、昨年2体の身元が特定された。硫黄島でも約70件の申請があるという。
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