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9月14日午後、グランドプリンスホテル新高輪の大宴会場で開かれた自民党の両院議員総会。事前の予想通り大差で新総裁に選出された菅義偉は、緊張した面持ちで壇上に上がり、短い挨拶を行った。
「新総裁に選出をいただきました菅義偉であります。どうぞよろしくお願い申し上げます」
冒頭、会場に向かって頭を下げた菅が、次に口にしたのは首相・安倍晋三への感謝の言葉だった。
だが菅は、斜め後ろに座っていた安倍本人を一瞥すらせず、安倍に背を向けたまま会場に向かって深々と頭を下げた。続いて「一緒に万雷の拍手を安倍総理にお願いします」と述べると、ようやく体を横に向けて拍手をしたが、その間、互いに目を合わせようともしない2人の姿に多くの議員が違和感を覚えた。
それもそのはずだ。「安倍政権の継承」を掲げる菅だが、この1年余、水面下で自らに政権が転がり込んでくるよう安倍の手足を縛り、権謀術数の限りを尽くして、晴れのこの日を迎えたのだ。
(中略)
かつて菅は自ら「私には国家観というものがない。しょせん地方議員上がりですから、安倍さんとは違いますよ」と周辺に語っていた。安倍や麻生には、そもそもそうした男がこの国の舵取りを担うことへの嫌悪もあるのだろう。
権謀術数の限りを尽くして権力の座を得た菅の周囲には、怨嗟が渦を巻いていることは間違いない。果たして菅は、それを乗り越えて本格政権を打ち立てることができるのか。その答えが出るのは、それほど先の話ではない。
現代ビジネス- 12
21/01/20 23:25:57