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- 甲斐宗運
- 20/08/23 13:36:38
8月初旬、敦賀市立石漁港近くの海岸(海水浴場ではない海岸)に訪れた母娘のうち、娘(24歳)が行方不明であると母親から通報がありました。 海保、警察、消防が現場に急行し、母親から事情を聴くと、娘は黒色のラッシュガードやシュノーケルなどを身に着けて泳いでおり、母親は海岸で一人待っていましたが、近くに遊泳する娘の姿が見当たらないことに不安を感じ、娘の遊泳開始から約20分後に通報したということでした。
20分って短くない?成人でしょ?と一瞬頭をよぎりますが、先入観は禁物!海での行方不明事案は命にかかわる事が多くあり、早期発見が求められます。
海保・警察・消防からは、それぞれの持つ一大勢力を費やして捜索にあたります。 海保巡視艇、警察警備艇、消防ゴムボート、民間救助艇、ヘリコプター、潜水士、陸上捜索部隊…
すると、通報から約1時間後、近くの海岸に海から上がってきた黒色ラッシュガードやシュノーケルを身に着けた女性を見つけ、確認したところ行方不明の娘さんであることが判明… 娘さんは、唖然とした表情で「泳いでいただけですが??」と。
ケガや流されたなどという事は何もなく、つまりは、母親の早とちりであったことが判明しました。
この事案のほかにも、8月の中旬には、敦賀市水晶浜海水浴場(今季不開設)において、海水浴に訪れていた家族ら7名のうち1名(33歳女性)が行方不明であると、同行者からの通報を受けました。 この事案では、今年7月30日に就役、8月11日に母港である敦賀港に初入港したばかりの「巡視船えちぜん」が出動。
巡視船えちぜんの初出動事案となりましたが、出動から約5分後に砂浜を歩いている行方不明女性を発見したとの知らせが入り、対応を終了したのでした。
当然事故などに関係するものではありませんでした。
海保や警察、消防も限られた勢力の中で、多くの事案に対応しています。
このような誤報事案は、事故が発生していないことに関しては喜ぶべきなのですが、誤報に勢力を費やしていては、本当に救助や捜索が必要な事案が発生したときに、発動の遅れなどから助かる命を救えなくなる可能性があるのです。
今回紹介した誤報事案2件とも、開設した海水浴場以外の場所で発生しました。 それにしても、「開設していない」などと書かれた大きな立看板や出入口のバリケードが設置されているにもかかわらず、子供を連れて遊泳している大人たちって、子供たちにどう説明しているのでしょうか?
自分や家族、友人などの命の大切さについてもっと考えて行動してほしいものです・・・。
(敦賀海上保安部・うみまる)
https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1149360
から抜粋
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