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- 20/07/19 07:39:31
英、5Gで日本に協力要請 ファーウェイ排除受け
2020/7/18 18:22
日本経済新聞 電子版
[写真]英政府のファーウェイに対する不信感が高まっている=AP
英国政府が日本政府に対し、次世代通信規格「5G」の通信網づくりで協力を求めたことが分かった。英国は中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)を排除する方針を決めた。NECや富士通がファーウェイに代わる調達先となる可能性に言及し、両社の技術やコストの競争力を高める支援を要望した。
英国は2027年までに5G通信網からファーウェイを排除する。スウェーデンのエリクソンやフィンランドのノキアなど他の世界大手と日本勢を競わせ、自国の通信会社が採用しやすい低コスト製品の開発などを促す狙いとみられる。
14日に排除を決めたことを受け、16日に英政府関係者が東京で日本の国家安全保障局(NSS)や内閣官房サイバーセキュリティセンター、関係各省の担当者を集めて協力を要請した。日本側も5Gで日英企業間の連携が必要だと指摘した。
5Gの基地局市場はファーウェイ、エリクソン、ノキアの世界3強が8割のシェアを握り、NECと富士通は1%に満たない。英国でもエリクソンとノキアが優位とみられるが、日本勢も英国の求める技術とコストの水準を達成できれば食い込める可能性が出てきた。
NECの幹部は「すでに英国とも話し合いを持っている」と明らかにした。富士通幹部は「欧州に打って出るチャンスをうかがっている」と語り、英国を含む欧州への進出に意欲を示した。
日本政府はNECなどによる基地局の機器や基幹ネットワークの開発を支援するため、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の基金から700億円規模を投じることを決めている。
経済安全保障のために情報が漏れない安全な通信網を自国で開発しつつ、友好国と協力しながら世界市場に輸出していく戦略を描く。日本勢が英国で受注できるかはその試金石になる。
NECなどが世界市場でのシェア拡大に期待をかけるのは、複数の基地局メーカーでネットワークを構成する「オープン化」と呼ばれる動きが進むと見られるためだ。これまでの基地局ビジネスは、通信会社がメーカー1社を選び、機器などをまとめて導入することが多かった。メーカーを変えると仕様の変更などが必要で、通信会社にとっては資金面の負担も大きい。3Gや4Gで入り込めなかった通信会社に、メーカーの転換を促すのは容易ではなかった。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61694460Y0A710C2MM8000/
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