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LGBTQの割合「13人に1人」ではなかった 「3%」という”下方修正”をどう見るべきか、研究者に聞いた
更新 2019年06月11日 12時05分
LGBTQをはじめとする性的マイノリティーに該当するのは3%程度だという調査結果(速報)が発表された。
これまでLGBTQは「13人に1人」とも言われてきたが、信頼性の高い調査で数字が下方修正されたかたちだ。どう受け止めればいいのか。
◆LGBTAは3.3%、異性愛者は83.2%
「国立社会保障・人口問題研究所」の研究グループが大阪市の協力を得て行った調査。今年1月、無作為に抽出した大阪市内の18歳から59歳、1万5000人にアンケートを送り、4285人から回答があった(有効回収率28.6%)。
調査では性自認や性的指向(性愛感情を抱く相手の性別)を質問。
性的指向では「異性愛者」「同性愛者(ゲイ・レズビアン)」「両性愛者(バイセクシュアル)」のほかに、誰に対しても性愛感情を抱かない「無性愛者(アセクシュアル)」と「決めなくない・決めていない」「質問の意味がわからない」という選択肢も設けた。
この結果、「ゲイ・レズビアン・同性愛者」は0.7%、「バイセクシュアル・両性愛者」は1.4%、「アセクシュアル・無性愛者」と回答したのは0.8%だった。「異性愛者」は83.2%で、「決めたくない・決めていない」も5.2%に上った。
性自認についての質問では、0.7%が「トランスジェンダー」に該当。
「ゲイ・レズビアン」「バイセクシュアル」[トランスジェンダー]に当てはまる人は2.7%で、「アセクシュアル」を含めると3.3%となった。
さらに、性別に違和感がある人に配慮した「申請書類などの性別記載欄の見直し」や「パートナーシップを証明する制度」への取り組みに賛同する人は9割近くに達した。
◆「13人に1人」が下方修正されると影響は?
これまで、LGBTQの割合は「13人に1人」と言われてきた。
根拠となっていたのは、「電通ダイバーシティ・ラボ」が2015年に行ったインターネット調査だ。20〜59歳の6万人を対象に「体の性別」「心の性別」「好きになる性別」を質問し、LGBTQの割合が7.6%だと結果が出た。
電通は同様の調査を2012年と2018年にも行っている。2012年は5.2%、2018年は8.9%で、LGBTQの割合は少しずつ増えている。
電通によると、この調査の回答者は、調査会社のモニターの中から抽出した60000人。母数がモニターに偏っているが、日本ではLGBTQの割合を示す研究が他になかったため、報道や企業などがLGBTQに関して言及する時にはこの調査が論拠とされてきた。
「13人に1人」という数字が、性的マイノリティーに関する理解や政策を押し上げてきた一方、懐疑的な視点も常に付きまとってきた。
性的マイノリティーに対する社会の理解がある程度深まらなければ難しい調査で、信頼性の高い数字が示されたこと自体は画期的が、事実上”下方修正”されたことで影響はないのか。
研究代表者で国立社会保障・人口問題研究所の釜野さおりさんに、調査の背景を聞いた。
>>1に続く
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