- なんでも
- 天暦
- 20/07/11 12:32:21
私の父(実際には祖父だけど父だと思って育った)は変わり者で
山の中に勝手に小屋を建てて住んでた
水道がなくて、近くの沢から勝手にパイプで水を引いてきてた
水道がかからないから止める必要がなくて
タイルで作ったお風呂場みたいな洗面台にジャージャー流れっぱなし
しばらく掃除しないと葉っぱが溜まって、そこに蟹がいたりした
そんな家なのに、なぜか電気はあった
父は木を焼いて炭をつくる仕事をしていて、いつもススだらけ
仕事から帰ると、洗面台に頭を突っ込んでバシャバシャ洗ってた
授業参観にススだらけでやってきて、私が「恥ずかしかった」と言ったら
一着だけ綺麗な服を買ってきて、授業参観のときだけそれを着てくるようになった
ある日学校から帰ったら、首ちょんぱされたキジがぶら下がってた
父が捕まえてきて、食べるために血抜きしてたキジ
それが夕食に出されて、私は食べられなくて、以来、脂身に毛のついた鶏肉がトラウマになった
父はよく蜂を捕まえて焼いて食べてた
私が奨学金で大学に行くため上京する前の夜
父は「俺もこの家も捨てていけ。二度と帰ってくるな」と言った
翌日、無人駅まで車で送ってくれた父は、私が見えなくなるまで1人でバンザイしてた
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貞応