徳治
5月22日、日本で14年ぶりに狂犬病の患者が発生しました。発症すればほぼ100%、亡くなるという死の感染症。日本では過去の病気と思われていますが、実は世界のほとんどの国で、まだ流行が続いています。
動物病院の待合室。飼い主の膝の上で震えている犬。法律で義務付けられている「狂犬病」の予防接種を受けています。
日本では撲滅されたはずのウイルス性の伝染病「狂犬病」。それが5月22日。
佐原豊橋市長:「日本で14年ぶりの発症者の確認ということになります。狂犬病については、私も保健部長も同じことを言っていたんですが、漫画でしか知らなかった病気であります」
日本では、既に終息した病気と思われている「狂犬病」。
豊橋市などによりますと、5月19日、フィリピンから入国した人が腹痛やおう吐の症状があったため、市内の医療機関を受診したところ、狂犬病ウイルスの陽性が確認されました。
感染した人は、去年9月ごろ、フィリピンで犬に左足首をかまれていて、その際に感染したとみられています。
犬やコウモリなどから人に感染するものの、人から人に感染することはない「狂犬病」。恐ろしいのはその症状です。
「狂犬病」など、動物から人への感染症を研究している岐阜大学の伊藤教授は…。
岐阜大学人獣共通感染症学研究室の伊藤教授
「神経が侵される病気と考えてください。痙攣だとか興奮状態ですね、そういった症状を引き起こすんですけども。発症した人はほぼ全て、ほぼ100%の方が亡くなってしまうという非常に怖い病気です」
「狂犬病」は、脳や脊髄といった中枢神経にウイルスが到達し、異常興奮や足の麻痺、また、喉がけいれんして水が飲めなくなる「恐水症」などの症状を引き起こし、早ければ2週間以内に死亡するといいます。
日本では60年以上前に撲滅されたはずの「狂犬病」。しかし…。
伊藤教授:「大体毎年6万人ぐらいの方が亡くなっている計算になりますので、10分に1名が世界のどこかで狂犬病によって亡くなられている」
実は、狂犬病。日本、イギリスなど、撲滅できた国はごくわずか。世界ではインドや中国など、アジアとアフリカを中心に今もなお多くの国で蔓延しています。
https://www.tokai-tv.com/tokainews/article_20200525_127699
5/25(月) 20:45 東海テレビ
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