弘仁
4/20(月) 9:56
新型コロナウイルスの感染拡大の影響が、ひとり親家庭の暮らしを直撃している。勤務先の休業や雇い止めを受け、日々の食事すらままならない家庭も出始めている。生活困窮者らを支援するフードバンクの関係者からは、懸念する声が上がっている。
「お金がなく、お米も買えない」。3月中旬、北九州市のシングルマザー(41)は区役所に駆け込み、泣きながら窮状を訴えた。
コロナ感染が深刻化するまでは、身体障害がある長男(19)を市内の介護施設に預け、パーキングエリアの売店でパートをしていた。ところが3月以降、施設側から「感染の恐れがある」と預かりを拒否された。長男は手足が不自由で突然けいれんを起こすこともあるため、付きっきりの介護が必要。やむを得ず一時的に仕事を休んでいる。
自身は1日1食
離婚した夫から養育費はもらっておらず、借金もある。フードバンクからの食材を少しでも長持ちさせるため、自身は1日1食で済ませているという。
次男(17)は通信制の高校に通い、今月末には授業料十数万円の支払いが迫る。「在宅ワークの仕事も見つからず八方ふさがり。どうやって生きていけばいいのか」と途方に暮れる。
中学2年生と小学6年生の娘2人と暮らす福岡市のシングルマザー(41)は、勤務先のホテルの利用客が半減し、3月中旬から出勤が週1、2日に。9万円程度だった給料はさらに減る見通しだ。消費者金融からの借金も考えるが、返済に苦しんだ過去があるだけに二の足を踏む。「極力借金はしたくないが、このままでは先行きが見えない」
「辞めてほしい」。小学生の長男(10)と保育園児の長女(5)を持つ熊本市のシングルマザー(34)は、勤務先の飲食店から退職を促され、職を失った。ハローワークに通うが、次の仕事が見つからない。小学校の臨時休校で給食がなくなり食費もかさむ。政府は1人10万円の現金給付を検討しているが、「一時的には助かるが、仕事が見つからなければ生活を立て直せない」とため息をつく。
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