嘉慶
都内の一般病院でCOVID-19の診療に携わった脳神経内科医の証言ツイート:
『日本はCTが普及していることと、誰でもその医療を受けられることがとても役に立っているようだ』
https://togetter.com/li/1484276
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北川/脳神経内科医/開業準備中
@kitagawaneuro
この1ヶ月、都内の一般病院でCOVID-19の診療にわずかですが携わったので、その経験を記します。なお、私は呼吸器や感染症の専門医ではないので、あくまで一内科医としての経験、意見であり所属する医療機関を代表するものではありません。
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2月に入ってから連日、クルーズ船の乗客から陽性者が多数報告され、都立病院にも収容されていると聞いていましたが、それが限界に近づいており一般病院でも受け入れを要請されるとの噂が流れてきました。
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◆病棟準備と患者数
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2月中旬に陰圧室を持っているような病院のICT担当者が招集され、正式に患者の受け入れが要請されたため、翌日から患者さんを移動させ1日で感染者用の病棟が準備されました。当初、どんどん入院してくると思っていましたが、実際はぽつりぽつりという感じで、これが最も意外でした。
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それほど入院数が多くなかった理由としては、受け入れ病院の数が増え分散されたこと、当院はICUがないため、軽症から中等症の方に限られたことなどがあると思います。河野大臣がツイートしていましたが、自衛隊病院は多くの患者さんを受け入れています。
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◆検査の状況
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日本の検査数が少ないと報道されていますが、確かに当初は「なぜこの人を検査してくれないのか?」といったケースもありましたが、現在では概ね中等度以上の患者はほとんど検査されており、その実数に大きな乖離はないように思います。
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一方、無症候やほとんど症状がないような人は検査があまりされていないので、検査数を増やせばそうした症例数は増えると思われます。山に例えれば裾野の部分は大きくなると思いますが、7-8合目以上の規模は概ね把握されているのが実感です。
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COVID-19を疑う根拠が非常に乏しい人に検査をしても事前確率が低く、あまり意味がありません。一方、普通ではない肺炎像があったり、濃厚接触者は事前確率が高く、こうした人達は逆に積極的に検査はされている印象です。
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◆肺炎とCT画像
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COVID-19の臨床的特徴は「非常に肺炎を起こしやすい」ということではないでしょうか。インフルエンザ患者を診ていても、細菌性肺炎の合併は時々あってもウィルス性肺炎自体はかなり稀です。しかしCOVID-19では、通常なら風邪程度の症状でもCTを撮影すると、複数の肺炎像が見られます。
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すでに報告されているようにこのCT像がかなり特異的です。胸膜にへばりつくようなすりガラス、あるいは網目状の陰影が複数見られます。通常の細菌性肺炎とはかなり異なる印象です。他院からCOVID-19の鑑別のために患者さんが紹介されてくるのですが、CTでスクリーニングをおこない、
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怪しい影があればPCR検査をおこなっているのが現状です。幸いCTスキャンが2台あるため、一般患者と分けて検査することが可能でした。またCTでは明らかな多発性陰影でも、レントゲンではかなり分かりにくく、それだけでは否定できません。
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◆医療システムの余裕が必要
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このような状況になって思うのは、パンデミックの際には病院や医療システムに余裕が必要だという事です。病床に余裕があるからこそ、専用の病棟を作れますし、外来にしても普段使わないエリアがないと、患者の動線を分けることができません。
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国全体の医療システムにも余裕がないと、パンデミックへの対応は難しいことを実感します。一つの病院に限界近い患者が殺到すれば、院内発症(アウトブレイク)がおこり、さらなる患者の増加を引き起こすことは確実で、まさにイタリアでこうしたことが起こっているのだと思います。
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この1ヶ月間で、新規患者数はほぼ横ばいでどんどん増えているという印象はありませんので、様々な自粛要請やリモートワークへの移行などの措置がある程度有効なのだろうと感じます。ただ、このまま収束していくかどうかは、現場の末端にいる医師にはわかりません。
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>>1に続く
古トピの為、これ以上コメントできません
1件~22件 ( 全22件)
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No.22 天文
20/04/23 08:13:31
>>7
CTでコロナ判定してからPCRで確定してるんじゃない?
返信
No.21 長久
20/04/23 07:57:48
>>20
日本は患者にとって天国、アメリカは医者にとって天国と言われているぐらいお金に差があるみたいだもんね
返信
No.20 応仁
20/04/22 23:29:12
>>15
CT台数が少ないし検査しようと思ったらとんでもない額を請求される。アメリカなら10万から20万くらい。日本はほんと恵まれてるよ。
返信
1件
No.19 承暦
20/04/22 23:04:42
「PCR検査自体に信頼性がないから、PCR以外の検査(CTやら検診やら濃厚接触者調査やら)で事前に対象を絞って、そのうえでPCR検査もしましょう」
ということだよね
日本の場合はコレで初期封鎖に成功してる
ただ、感染者数がどんどん増えてく状況だと人員・物量的にムリが出てくるから、やっぱりむやみに検査はできないけど
返信
No.18 応長
20/04/22 23:00:27
>>14
同じくwえ、どこに埋もれてんの?って拡大してたわ。
返信
No.17 承暦
20/04/22 22:56:04
CTを検査代わりにするとかその発想はなかったわ
返信
No.16 永禄
20/04/22 22:52:56
CTやレントゲンは妊婦が利用できない問題もあるし、やっぱり感染しないように自粛していくのは重要だと思う
返信
No.15 康元
20/04/22 22:45:43
海外はCTはやらないでPCRだけなの?
返信
1件
No.14 承暦
20/04/22 22:44:46
>>12
初め、日本探せんかったわ
返信
1件
No.13 永祚
20/04/22 22:42:52
結核患者も結構見つかって治療につなげることができてるそうよ。
返信
No.12 天福
20/04/22 22:42:04
やたら数の多いCTが役に立つ日が来るとは
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1件
No.11 仁平
20/04/22 22:40:10
>>9
たぶん肺炎になってたらPCR検査が済むまでコロナ患者扱いで診療されるんだと思う。
CTだけで判断じゃなく、院内感染防ぐ為に先にCTみたいな。
返信
No.10 仁平
20/04/22 22:38:15
PCR検査っていくらでできるの?
最近発熱して経緯からいってもコロナの可能性低くても診察を受けるのに先にCT検査が必要で撮影して結果が出てから診察。
お会計は薬なども入れて1万5千円近かった。
電話料金が払えないとか家賃が払えないって言ってるような人たちは病院にかかれない値段じゃない?
返信
No.9 元文
20/04/22 22:33:54
>>8
コロナの場合は特徴的だと書かれてるから他のと区別つくのかなー?と読んだ感じ思ったんだけど違うのかな?
返信
1件
No.8 宝永
20/04/22 22:31:37
>>7CTは武漢肺炎以外の肺炎を発見することができるのよ
返信
1件
No.7 元文
20/04/22 22:30:25
ならもうCTでコロナ判定しちゃえばいいじゃん。
返信
2件
No.6 寛元
20/04/22 22:27:22
NHKでやってたけど、新型コロナは、かなり特徴的な肺炎画像がでるのでCTですぐに判明するんだって
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No.5 建徳
20/04/22 20:57:36
これ、1ヶ月前の記事だよね。今の状態でだとどうなんだろう。
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No.4 康平
20/04/22 20:55:28
まあ、長~い言い訳
返信
No.3 長治
20/04/22 20:54:06
PCRが無いならCTやれば良いじゃない(アントワネット風に)
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No.2 弘化
20/04/22 20:53:43
なるほどね
返信
No.1 主 嘉慶
20/04/22 20:51:30
◆行政側と現場の医師の間の暗黙の合意
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ここまで一気に書いたので、少し補足します。民間の検査会社でもPCR検査は可能になりましたが、現時点では行政機関のほうが結果が帰ってくるのが早いため、そちらに依頼しています。検査の適応については、行政側と現場の医師の間に、
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「こうした症例は検査すべき」といった暗黙の合意ができつつあり当初よりスムーズになっているようです。現在、クルーズ船の患者さんが少しずつ退院し始めており、今月末から来月にかけて国内発症者の退院も増えていくと思われます。
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◆病院経営へのダメージ
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受け例が決まった時は、私も含めすべての職員は不安だったと思います。ただ、結局はどこかが受け入れなければ患者さんが溢れてしまいます。声を大にして言いたいのは、COVID-19を受け入れても病院に大きな収入が入るわけではありません。
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むしろ入院・外来患者ともに減っており経営上は大きなダメージがあります。マスクも潤沢にあるわけではなく、ギリギリでやっているのが現状です。ここで院内感染でもおこって病院を閉鎖するようなことがあれば、経営上はさらに大きな打撃を受けることになりますが、
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現状ではそれが補填されるわけでもありません。
当初、東京のような過密都市では爆発的に患者が増えるかと思いましたが、そうでもありません(現場の実感としてもそうです)。京都も患者数は比較的少ないようですが、どちらも他人によそよそしい街だからでしょうか?(冗談です)。
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◆感染抑圧と経済活動
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先程も書きましたが、私はこのウィルスを完全に封じ込めることは不可能だと思います。我々にできるのは、現在の医療システムが対応かのうなレベルに患者数をとどめておくことです。一方、経済活動をいつまでも制限したり鎖国のようなこと続ければ、経済の破綻により死ぬ人が出てくることは間違いなく、
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国は、感染者数を一定以下にとどめつつ経済活動を少しずつ元に戻していくという難しい舵取りを迫られていくのでしょう。
一部に、集団免疫ができれば大丈夫という意見があるようですが、このウィルスについては未知のことが多く、私はその考え方については懐疑的とは言いませんが賛成もできません。
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私は3月末に退職するのですが(1年前から決まっていたことなのです)、COVID-19の診療にあたっている末端の現場の状況をお伝えしたく長々とツイートしました。
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私の体験と考えはあくまで、都心部の一般病院でのそれですので、地域が違えばまた異なる状況であることは言うまでもありません。
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2020-03-21 20:32:50
https://togetter.com/li/1484276
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