- なんでも
- 嘉慶
- 20/04/22 20:50:13
都内の一般病院でCOVID-19の診療に携わった脳神経内科医の証言ツイート:
『日本はCTが普及していることと、誰でもその医療を受けられることがとても役に立っているようだ』
https://togetter.com/li/1484276
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北川/脳神経内科医/開業準備中
@kitagawaneuro
この1ヶ月、都内の一般病院でCOVID-19の診療にわずかですが携わったので、その経験を記します。なお、私は呼吸器や感染症の専門医ではないので、あくまで一内科医としての経験、意見であり所属する医療機関を代表するものではありません。
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2月に入ってから連日、クルーズ船の乗客から陽性者が多数報告され、都立病院にも収容されていると聞いていましたが、それが限界に近づいており一般病院でも受け入れを要請されるとの噂が流れてきました。
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◆病棟準備と患者数
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2月中旬に陰圧室を持っているような病院のICT担当者が招集され、正式に患者の受け入れが要請されたため、翌日から患者さんを移動させ1日で感染者用の病棟が準備されました。当初、どんどん入院してくると思っていましたが、実際はぽつりぽつりという感じで、これが最も意外でした。
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それほど入院数が多くなかった理由としては、受け入れ病院の数が増え分散されたこと、当院はICUがないため、軽症から中等症の方に限られたことなどがあると思います。河野大臣がツイートしていましたが、自衛隊病院は多くの患者さんを受け入れています。
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◆検査の状況
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日本の検査数が少ないと報道されていますが、確かに当初は「なぜこの人を検査してくれないのか?」といったケースもありましたが、現在では概ね中等度以上の患者はほとんど検査されており、その実数に大きな乖離はないように思います。
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一方、無症候やほとんど症状がないような人は検査があまりされていないので、検査数を増やせばそうした症例数は増えると思われます。山に例えれば裾野の部分は大きくなると思いますが、7-8合目以上の規模は概ね把握されているのが実感です。
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COVID-19を疑う根拠が非常に乏しい人に検査をしても事前確率が低く、あまり意味がありません。一方、普通ではない肺炎像があったり、濃厚接触者は事前確率が高く、こうした人達は逆に積極的に検査はされている印象です。
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◆肺炎とCT画像
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COVID-19の臨床的特徴は「非常に肺炎を起こしやすい」ということではないでしょうか。インフルエンザ患者を診ていても、細菌性肺炎の合併は時々あってもウィルス性肺炎自体はかなり稀です。しかしCOVID-19では、通常なら風邪程度の症状でもCTを撮影すると、複数の肺炎像が見られます。
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すでに報告されているようにこのCT像がかなり特異的です。胸膜にへばりつくようなすりガラス、あるいは網目状の陰影が複数見られます。通常の細菌性肺炎とはかなり異なる印象です。他院からCOVID-19の鑑別のために患者さんが紹介されてくるのですが、CTでスクリーニングをおこない、
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怪しい影があればPCR検査をおこなっているのが現状です。幸いCTスキャンが2台あるため、一般患者と分けて検査することが可能でした。またCTでは明らかな多発性陰影でも、レントゲンではかなり分かりにくく、それだけでは否定できません。
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◆医療システムの余裕が必要
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このような状況になって思うのは、パンデミックの際には病院や医療システムに余裕が必要だという事です。病床に余裕があるからこそ、専用の病棟を作れますし、外来にしても普段使わないエリアがないと、患者の動線を分けることができません。
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国全体の医療システムにも余裕がないと、パンデミックへの対応は難しいことを実感します。一つの病院に限界近い患者が殺到すれば、院内発症(アウトブレイク)がおこり、さらなる患者の増加を引き起こすことは確実で、まさにイタリアでこうしたことが起こっているのだと思います。
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この1ヶ月間で、新規患者数はほぼ横ばいでどんどん増えているという印象はありませんので、様々な自粛要請やリモートワークへの移行などの措置がある程度有効なのだろうと感じます。ただ、このまま収束していくかどうかは、現場の末端にいる医師にはわかりません。
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>>1に続く
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