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- 正応
- 20/03/21 23:39:05
最終回を前に注目度が沸騰している日曜劇場「テセウスの船」。その魅力のひとつが、幼き殺人者・みきお(柴崎楓雅)である。非力に思えた小学生が毒物を使って大量殺人を実行した理由とは……。みきおを演じる11歳の柴崎楓雅の魔少年ぷりに目が離せない。
「テセウスの船」は、2020年から31年前の1989年(平成元年)に起きた「音臼小無差別大量殺人事件」の謎を中心に進むヒューマンミステリー。善良な警察官・佐野文吾(鈴木亮平)が犯人とされ、文吾を父にもった息子・田村心(竹内涼真)は、31年もの間、日陰の身を余儀なくされてきた。あるとき、現代から過去にタイムスリップ、忌まわしい事件は父が起こしたものではないと知り、心は父を救うべく、事件を阻止しようと奔走する。また文吾も心に協力するようになり、時を超えた父子の奇妙であたたかいコンビプレーが発揮されていく。
緊迫感と予想できない展開で、視聴率も最初から悪いほうではなかったが、当初から微妙な怪しさを振りまいていた小学生のみきおが犯人であることがわかると、がぜん盛り上がってきた。
最初、容疑者だった文吾役の鈴木亮平にはじまって、ユースケ・サンタマリア、笹野武志、六平直政、霜降り明星のせいや、今野浩喜、小籔千豊、麻生祐未などなど、犯人候補になり得そうな怪優が次々出て来て、瞳の陰影や刻まれた顔のシワに、悪意を読み取りたくさせる演技合戦が繰り広げられるなかで、肌がつるっと白く、濁りのない瞳をした少年が悪の権化だったことのギャップ。また、みきおの未来の姿を演じる安藤政信の怪演もバックアップになり、その後の少年みきおのターンはストーリーも演出も演技も乗りに乗った。
みきお役の柴崎楓雅は2008年生まれの11歳(4月で12歳)で、デビューは2018年。ここまで大きな役は「テセウスの船」がはじめてながら、この後、映画出演などが控え、さらにこれから引っ張りだこになるだろう。
同じくTBS制作で、2000年の「QUIZ」は、大人の身勝手さに傷ついた子供があの手この手を使って大人に復讐を行うという大人と子供の対立を描くのみならず、子供が大人を操る展開も攻めていた。そこで犯人を演じたのは神木隆之介(当時7歳!)。その天才性が光った。「テセウスの船」の柴崎楓雅は当時の神木隆之介の再来のようにも映る。
みきおの共犯者は誰なのか。いったいなぜ、どういう目的で……結末を楽しみに見たい。
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