- なんでも
- 白雉
- 20/03/05 12:59:20
・20歳未満の感染者は明らかに少ない
・20歳未満は「感染していない」というわけではない
・無症候性感染者や軽症例でも感染源にはなり得る
・国内で流行を広げているのは無症候性感染者や軽症例かもしれない
https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20200229-00165263/
忽那賢志 | 感染症専門医
2/29(土) 13:46
2月27日、政府から臨時休校の要請が出されました。
これに関して、各方面から批判的な意見が出ています。
いろんな業界が影響を受けていますが、我々医療従事者にとっての一番の問題は、子を持つ親が勤務が難しくなり医療体制がさらに切迫してしまうということです。
また、そもそも臨時休校を行う意義について、以下のような意見もあります。
世界の感染者数の人口別グラフをみても、べつに子どもや未成年に多いわけではない。
“ また、新型肺炎で生命が危険にさらされるリスクが高いのは、高齢者や心臓病や糖尿病の持病のある人だ。4万人以上の大規模調査によれば、80歳以上の場合は14.8%の死亡率だが、39歳以下では0.2%という。
出典:新型コロナ「衝撃の休校要請」…多くの医師が疑問を抱いている ”
小児では感染者も多くないし、重症化のリスクも低いので臨時休校は必要ないという論旨です。
この指摘は本当でしょうか?
■20歳未満の感染者は明らかに少ない
確かにこれまでに報告されている年齢別に感染者を見ると、20歳未満の世代は極端に少ないことが明らかになっています。
例えば中国で診断された44,672人の年齢分布を見てみると、
[画像]
このように、明らかに20歳未満の世代は感染者が少ないことが分かります。
44,672人の感染者のうち、20歳未満の占める割合はわずか2.1%です。
「中国の一人っ子政策もここまで極まったか・・・」と一瞬思いましたが、そうではなく、中国の人口の年齢分布を見ると、この若い世代の感染者の少なさがよりはっきりと分かります。
[画像]
この図は中国の人口ピラミッドを参考に年代ごとに感染者と人口とを比較したものです。
中国の20歳未満の世代もそれなりに多く、むしろ60代、70代、80代の世代よりも人口は多いことが分かります。
しかし、感染者数は明らかに20歳未満の世代は少ない。
このことから分かるのはどういったことでしょうか。
■20歳未満は「感染していない」というわけではない
特殊な事情によって小児は新型コロナに感染しにくい、というわけではありません。
原則として、人に感染する病原体であれば大人も子供も平等に感染が成立します。
大人と子供で平等でないのは「重症度」です。
この人口の年齢分布と感染者の年齢分布の違いから分かるのは、小児は無症候性感染者や軽症例が多く、大半の事例で診断が見逃されているということです。1歳未満の乳児9例も報告されていますが、全員軽症です。(https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2761659)
小児では軽症例が多く、高齢者になるほど重症度が高くなるのは他のコロナウイルス感染症であるSARS(重症急性呼吸器症候群)やMERS(中東呼吸器症候群)も同様です(Ann Intern Med. 2004;141(9):662./Emerg Infect Dis. 2015 Nov;21(11):2088-90. )。
日本国内でも2月28日時点で191人の感染者のうち20歳未満の患者さんは6名(3.1%)に留まっています。
しかし、実際には小児の感染事例は多いのではないかというのが私の推測です。
>>1に続く
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