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- 寛和
- 20/02/05 08:13:58
「月経カップのリスクを知ってください」─両足切断の女性の訴え
2/4(火) 19:00配信
新しいタイプの生理用品として近年注目を集める「月経カップ」。タンポンに比べて長時間使用でき、環境にも優しいことから日本でも普及しつつある。
だが、トキシックショック症候群(TSS)のリスクは見過ごされがちだ。
月経カップによるトキシックショック症候群を発症し、両足と手の指関節を18個切断した女性が、「ル・パリジャン」紙で証言し、注意喚起をおこなった。
●月経カップでトキシックショック症候群の衝撃●
月経カップとは、医療用シリコンなどで作られた小さなカップで、膣内に挿入し経血を受け止める生理用品である。近年、タンポンやナプキンに変わる新しい生理用品として注目を集めている。
一般的なタンポンの使用時間が4~8時間を目安としているのに対し、月経カップはメーカーによっては最長12時間まで使用可としており、タンポンに比べて長時間使用できるというメリットがある。また、使い捨てではなく、洗って繰り返し使えるために経済的で環境にもやさしい。トキシックショック症候群のリスクも、タンポンに比べて低いとされる。
このため、1月20日「ル・パリジャン」紙に月経カップを使用していてトキシックショック症候群を発症した女性の証言が掲載されると、安全と思われていた月経カップでの事故だけに大きな衝撃が走った。
●トキシックショック症候群って何?●
トキシックショック症候群は黄色ブドウ球菌が作り出す毒素によって引き起こされる疾患だ。
主な症状は下痢、嘔吐、発熱などで、毒素によって組織が壊疽することもある。非常にまれな疾患で、フランスでの発症件数は年間わずか20人程度だが、重症化すると死に至る可能性もある。
男性でも女性でもかかる疾患だが、これまでタンポンの使用がリスク要因となることが知られてきた。特に吸収性の高いタンポンは、その原材料と経血が混ざることで黄色ブドウ球菌の増殖を助け、トキシックショック症候群の原因となる可能性があると言われている。
タンポン使用によるトキシックショック症候群については、右足を切断したアメリカのモデル、ローレン・ワッサーのケースなどを通して、これまでもメディアで注目を集め、注意喚起がなされてきた。また、今年1月9日にはベルギーの17歳の女性がタンポンによるトキシックショック症候群で死亡し、フランスでも大きな話題となった。
だが、月経カップでのトキシックショック症候群の危険性は、フランスでも一般には充分に知られていない。フランスの週刊誌「レクスプレス」は、全国産婦人科学同業者連盟会長、ピア・ド・レイヤック医師のこんなコメントを紹介している。
「多くの女性は月経カップにはリスクがまったくないと信じていますが、そんなことを信じさせてはいけません。月経カップもタンポンと同じような使い方をしなくてはいけません」
彼女によれば、タンポンは4~8時間おきに交換する必要があるように、月経カップも定期に取り出して経血を捨てなくてはならない。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200204-00000006-courrier-int
続く
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