しまむら、苦境の裏で決めた「異例の社長交代」

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    • 康平
      20/02/01 11:06:51

    その後も売り場レイアウトの見直しや、トレンド対応強化のための短納期生産の拡充など、改善策は講じているものの、直近2年間の既存店売上高は2018年4月と2019年8月を除いて前年割れが続いている。

     寝具に特化した店舗など新業態を試験展開するも成果は出ず、今2019年度も3期連続の減収が濃厚となった。こうした事情を踏まえれば、業績悪化に歯止めを掛けたいという焦りがトップの交代につながったことは間違いないだろう。

    ■空白だった会長職

     一方、今回の人事には経営体制の強化という意味合いも大きいようだ。

     前任の野中氏が2005年に社長に就任した際は、同社の“中興の祖”とも言われる藤原氏が4年間会長として残り、2011年から15年の間は元専務取締役の福真昭彦氏が会長に就いた。所々で空白期間はありながらも、中長期的な会社の成長に向けた対外活動などに当たる会長と業務執行全般を担う社長のツートップ体制での経営が基本だった。

     だが北島社長に交代後、会長に就いた野中氏は体調悪化により、わずか10カ月で退任。会長職が不在のまま、実質的に大半の期間において北島社長が1人で経営の重要任務を担ってきた。社長が対応する業務の範囲が広がっていった結果、「新たに取り組んだ施策の多くが中途半端になってしまった」(鈴木氏)。

     今後はツートップ体制の下、社長の鈴木氏が足元の業績回復に向けた施策の遂行に集中的に取り組むという。会長となる北島社長は営業畑を歩んできた経験を生かし、約400社のサプライヤーとの連携強化などを進めて商品力の向上につなげる方針だ。

     もっとも、新体制となったところで、抜本的な改革が断行できない限り、苦境からの脱却は遠のくばかりだ。しまむらの業績低迷の根底には、同社が強みとしてきたビジネスモデルのひずみも見え隠れする。

     現在、グループ全体で約2200店舗を展開する同社の根幹を支えるのが、徹底したチェーンストアオペレーションとローコスト経営だ。商品投入から店舗運営、物流までを本部で集中管理する仕組みにより、しまむらは無駄なコストを省いて均質的なサービスを実現してきた。

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