- なんでも
- 正元
- 20/01/10 21:47:36
ママスタ民は東京住みで旦那さんが医者っていう人多いけど...
東京・港区の麻布界隈には、“麻布妻”と呼ばれる富裕層女性たちが住む。その中に一定数いるのが「医者の妻」だ。彼女たちは時々集まっては一緒に食事をしたりシャンパンを楽しんだりするという。そこではどんな会話が繰り広げられているのか──。自身も麻布妻でライターの高木希美氏が、知られざる「医者の妻の会」に潜入した。
私が参加した医者の妻の会は、90歳近いマダムから新婚の20代まで、幅広い年齢層の女性で構成されていました。夫の病院もバラバラ、勤務医もいれば開業医もいるし、診療科もそれぞれです。メンバーには麻布妻が多いですが、麻布に住んでいなくても紹介があって医師の妻であれば参加することができます。時には、医療機器や製薬メーカーの社長夫人も参加することがあります。
集まるときの名目は“シャンパンを楽しむ会”。手作りのピンチョスや生ハムなどを持ち寄って、グラスを傾けながら情報交換をするのです。中には、夫婦で参加する方もいます。
会場はマンションにあるパーティールームを借りることが多く、司会役の女性が新しい参加者を紹介したり、話を振っていったりします。女性たちの中には趣味の延長で作った洋服やアクセサリーをネットで販売している人もいて、それを持ちこんできて“即売会”のようになることも。
また、自然災害の被災地へみんなで寄付しようといった話や、慈善活動をしようといった話がまとまることもあります。
例えば、この冬の集まりに初参加した27歳のサクラさん(仮名)は、夫が開業した美容クリニックで出している美容グッズをたくさん持ってきていました。父親の仕事で香港に15年住んでいたこともあり英語も堪能、ファッションセンスも日本人離れしています。この日はタイトなレースのワンピースを着て、美容院で髪をばっちりセットして来ていました。
元々キレイな彼女、夫の“実験台”としてレーザー治療やシミ取り、リフトアップや注入治療も行なっているらしく、見た目はとても洗練されていました。初参加のサクラさんは、美容品を配りながら挨拶回りをしていました。医者の世界は狭いから、そうやって年下の人や新参の人が目上の人に挨拶するのは大切なことらしいのです。
「よろしくお願いします」と美人が頭を下げる姿に、鼻の下を伸ばす男性参加者もいました。
そこでちょっとした事件もありました。サクラさんが挨拶した大病院の会長秘書と形成外科の権威の2人の男性が、好きなレストランの話で盛り上がったらしく楽しそうに話していたのですが、それを見たベテラン参加者女性たちが陰口を叩き始めたのです。
代々続く産婦人科病院の会長の80代の妻と、都内の一等地に眼科を開業している医師の60歳の夫人でした。
「あんな格好して恥ずかしくないのかしら」
「体にフィットする服装してて、きっと欲求不満よね」
「男たちにアピールしてるのかしら」
「あの男たちも下心見え見えね」
「あの子もすぐついていきそうじゃない」
「自分の旦那はああいう女に近づけたくないよね」
最初は小さな声で話していたのが、だんだんヒートアップしてきたのか周りに聞こえる声で言いたい放題でした。
それでも、(おそらく全て聞こえていた)サクラさんが美容クリームの試供品を2人に渡すと、2人とも笑顔に。
「あら嬉しい、もらっていいの?」
「スタイルよくて、モデルさんみたいでびっくりしちゃったわ」
「今度ぜひクリニックに行くわね!」
いきなりご機嫌な声に。さらにサクラさんは別の美容液も渡し、「こちらもよかったら使ってください」と笑顔を向けていました。富裕層の妻たちですからアンチエイジングには興味があるようです。
「医者の妻の会」は、夫の仕事のための人脈作りの場だそうです。できるだけ敵を作らないよう頭を下げて回るサクラさんは、“完璧な妻”だったのかもしれません。
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