- ニュース全般
- 貞久
- 20/01/06 14:47:03
いくら何でも「鉄拳」はご法度だろう。
4日、報道陣の目の前で起こった力士同士のケンカ騒動。宮城野部屋で石浦(29)と宝香鵬(30)が殴り合いを繰り広げた。
三番稽古中、宝香鵬にダメ押しされた石浦がヒザ蹴りを繰り出すと、両者ともにヒートアップ。荒っぽい稽古が続き、しまいには拳を振るっての殴り合いに発展した。最終的に白鵬(34)が仲裁に入って事なきを得たが、大相撲でケンカ腰の稽古はいまに始まったわけではない。
近年では時津風部屋の豊ノ島と時天空。互いに出世争いのライバルと見定め、稽古で羽目板まで吹っ飛ばすのは日常茶飯事だった。兄弟横綱の若乃花、貴乃花も稽古中は感情をむき出しにし、険悪な空気を漂わせていたものだ。
それでも彼らは稽古の枠から逸脱することなく、土俵を出れば普通に接していた。まして今回のような公衆の面前での殴り合いなど、前代未聞だ。
さるタニマチ筋は「もともと、2人は仲が良くないんです」と、こう続ける。
「早生まれの石浦と宝香鵬は学年は同じでも、入門は石浦の方が6年遅い。角界では年齢に関係なく、先に入門した方が先輩、兄弟子です。その一方、弟弟子でも関取には敬意を払わないといけない。石浦は幕内で、宝香鵬は万年幕下の力士。にもかかわらず、宝香鵬は『石浦関』と呼ばず、人前で『おい将勝』と下の名前で呼ぶなど、日ごろから先輩風を吹かせていたそうです。そりゃあ、石浦も面白くないですよ」
いわば両者の人間関係が発端ともいえそうだが、ある親方は「根っこにあるのは2人の“師匠”の問題ではないか」と、こう続ける。
「同部屋の兄弟弟子とはいえ、石浦は白鵬の内弟子だ。石浦は110キロ前後の小兵力士。大相撲は昔から小兵人気が高いとはいえ、白鵬の内弟子という話題性がなければここまで知名度を得られたかどうか。宝香鵬は幕下止まりの番付に加えて、宮城野親方(元前頭竹葉山)の弟子。自分より後に入門した力士がガンガン出世し、白鵬の弟子というだけでチヤホヤされる。石浦の鼻も伸びていたそうだ。宝香鵬にすれば、そうした態度が兄弟子である自分をないがしろにしている、と映っていたのだろう」
宮城野親方が注意しても聞かず、最終的にケンカを止めたのが白鵬ということは、誰が真のボスかを如実に示している。実権を握る白鵬と、名目上のトップである宮城野親方。いびつな二重構造は、当面、解消されそうにない。
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