- なんでも
- 嘉慶
- 19/12/09 20:12:20
あのひ、わたしは あなたのちいさなゆびを かぞえ、そのいっぽんいっぽんに キスをした。
はじめてゆきがふったひ、そらへむけて だきあげた。あなたのまあるいほっぺのうえで、ゆきがとけていった。
みちをわたるとき、あなたはいつも わたしのてにしがみついてきた。
いつのまにやら あなたはおおきくなって、わたしのあかちゃんは、わたしのこどもになった。
すやすやとゆめをみているあなたをみながら、わたしもときどき ゆめをみる…
いつかきっと、あなたもとびこむのだろう。ひんやりすきとおった みずうみのなかへ。
ほのぐらいもりへ さまよいこむことも あるかもしれない。
うれしくてたのしくて、ひとみをきらきらかがやかせる ひがきっとある。
しんぞうがはりさけそうになるまではやく、とおくへ、かけていくひもくるだろう。
もっとたかく、もっとたかくとはずみをつけて、めまいがするほど、たかくまで、じぶんをためすこともあるだろう。
かなしいしらせに みみをふさぎたくなるひも あるだろう。
あなたがかぜにむかって たからかにうたううたを かぜがとおいところへ はこんでいく。
やがて、せいいっぱいてを ふりながらしだいに とおざかっていく あなたを みおくるひがやってくる。
あなたはふりかえり、あんなにおおきかったいえが とてもちっぽけに みえることにおどろくだろう。
いつか あなたも たくましくなった そのせなかに ちいさなおもさを せおうときが くるかもしれない。
わたしのまえで こどものやわらかなかみのけを とかすかもしれない。
そうしていつか ながいとしつきのはてには、あなたじしんのかみも ぎんいろにかがやくひがやってくる。
わたしのいとしいこ。そのときは、どうかわたしのことを おもいだして。
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