• No.1 徳治

    19/10/06 20:57:26

    ■香港人は自分たちを中国人とは思っていない

    香港に住む人の大半は民族的には中国人で、香港は中国の一部だが、香港人の大半は自分たちを中国人とは思っていない。

    香港大学が行った調査によると、ほとんどの人が自分は「香港人」だと考えており、自分は「中国人」だという人はわずか15%だった。

    この差は世代が若くなるほど大きくなる。2017年の調査では、18~29歳の回答者うち自分は中国人だと答えたのはたった3%だった。

    なぜ中国人だと思わないのかという質問には、自分たちは法的にも、社会的にも、文化的にも違うという答えが寄せられた。また、香港は150年もの間、中国とは切り離された植民地だったという事実も理由に挙がった。

    さらに、近年では中国本土に対する反感が高まっている。失礼な中国人観光客が地元のルールを無視したり、観光客の増加で物価が上昇したことなどへの反発だ。

    中国からの独立を訴える若い活動家もおり、これが中国政府を警戒させているようだ。

    今回の抗議デモの参加者は、逃亡犯条例の改正案が通ってしまえば、中国政府による香港統治が迫ると考えている。

    抗議運動に参加したマイクさん(18)はBBCの取材に対し、「この改正案が可決されれば、香港は他の中国の都市と同じになってしまう」と話した。

    ■香港の人々は抗議の方法を知っている

    2014年12月に発生した反政府デモ「雨傘運動」の残党を警察が排除した時、参加者たちは声をそろえて「私たちは戻ってくる」と宣言した。

    実際、こうして抗議デモが再び行われていることは驚くに値しない。香港には抗議の歴史がある。それはここ数年という短い期間ではなく、もっと長い歴史だ。

    1966年には、香港のヴィクトリア・ハーパーで運航されているスターフェリーの値上げをめぐって抗議デモが行われた。参加者はやがて暴徒化し、夜間外出禁止令が敷かれ、何千人もの警察官が街に配備された。

    返還後の1997年以来、抗議運動はたびたび行われているが、最近では政治的なものほど規模が大きくなる傾向にあり、参加者と中国政府の間にあつれきが生まれている。

    香港人はある程度の自治を持っているものの、選挙では自由が制限されている。デモは自分たちの声を聞いてもらう数少ない手段だ。

    2003年には50万人が参加したデモで安全保障法案が却下された。普通選挙権を求めるデモや天安門事件の追悼集会は、毎年の恒例行事となっている。

    2014年のデモは数週間にわたって続き、香港人が自分たちで行政長官を決める権利を求めていることが浮き彫りになった。しかし中国政府からの譲歩はなく、このデモも失敗に終わった。

    (英語記事 The background you need on the Hong Kong protests:https://www.bbc.com/news/world-asia-china-48607723

    BBC NEWS JAPAN
    https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-48618554

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