• No.4 延長

    19/07/19 10:46:09

    ■サムスンに増設を強要する中国

    ――米国のファーウェイ(華為技術)潰しも「5G」を巡る米中の戦いですね。

    鈴置: その通りです。トランプ政権は世界に向け「ファーウェイの基地局や携帯を使うな。情報を盗まれるぞ」と訴えています。同時に、「ファーウェイに中核部品を売るな」とも言っていました。

     ファーウェイが中国の5Gの旗手だからです。6月29日の大阪での米中首脳会談で「ファーウェイ潰し」がいったん棚上げされたかに見えますが、米中が和解すると見る専門家は少ない。

     韓国では日本以上にこの問題が大きく報じられています。ファーウェイに売る半導体の量は日本企業とは比べものにならないほど多い。米国の「ファーウェイ潰し」においそれと参加できません。

     中国も韓国が米国側に回れば大いに困ります。6月27日の中韓首脳会談の議題は「5G」と「THAAD(地上配備型ミサイル迎撃システム)」でした。

     在韓米軍のTHAADは中国が韓国を脅す時に使ってきたカードです。配備の際には、土地を提供したロッテグループが中国で徹底的にいじめられました。習近平主席は「5G」で言うことを聞かないと「THAAD」の時のように報復するぞ、と脅したわけです。

     それに対し、文在寅大統領は「韓国が米中のどちらかを選択する状況に陥らないよう望む」と述べました。「これ以上、いじめないで」との悲鳴です。

     面白いニュースがありました。ロイター・日本語版の「サムスン電子、中国NAND工場の追加投資未定 報道を否定」(5月18日)です。

    「サムスン電子が陝西省西安の工場でNAND型フラッシュメモリーを増産するため、140億ドルの新規投資に踏み切る」と5月17日に新華社が報じた。すると即、サムスン電子が否定した、という内容です。

     新華社が記事を流すことで、中国政府はサムスン電子に中国工場の能力増強を迫った。米国の顔色も見なければならないサムスン電子はあわてて報道を打ち消した――と読めます。

    ■行方不明のエッチングガス

    ――日本の「輸出管理強化」は米中覇権争いの一環との見立てですね。

    鈴置: ええ、いろいろの意味で。「北朝鮮への「横流し疑惑」で、韓国半導体産業の終わりの始まり」では、中国陣営に鞍替えしつつある韓国に半導体――世界のメモリー生産の半分を米国が持たせるとは考えにくい、と申し上げました。

     ただ、それは中期的な問題です。米国の韓国に対する「踏み絵」の迫り方が急になってきたのは、「5G」が理由と思います。

     韓国の産業通商資源部の課長2人が日本の経産省に押し掛け「輸出管理の強化とホワイトリストから外される理由」を問いただした7月12日のことです。韓国国会でこれまた見落とせないニュースが発生しました。

     親米保守で野党第1党の自由韓国党の議員が、予算決算特別委員会で、以下のように政府の見解をただしたのです。

    ・韓国関税庁の統計によると今年1月と5月、半導体製造用のエッチングガス(フッ化水素)がそれぞれ30キロと3万9620キロ、韓国から日本に輸出された。
    ・だが、日本の財務省の貿易統計では、韓国から輸入されたエッチングガスは120キロに過ぎない。99・7%がどこかに消えたのだ。調査と捜査が必要だ。

     エッチングガスは日本が対韓輸出の管理を強化した3品目の1つ。韓国がこの管理をきちんとしていたか、が日韓紛争の論点に浮上しています(「日本に『怪しい国』認定された韓国 文在寅は「受けて立つ」というが、保守派は猛反発」参照)。

     その最中に、3万9530キロもの大量のエッチングガスが行方不明になったことが公になったのです。

    続く

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