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- 19/06/17 20:32:33
昨年7月の西日本豪雨で松山市沖の離島・怒和島(ぬわじま)の女子児童2人が亡くなったことをきっかけに、同市南消防署消防副士長の安永優生さん(25)が子どもの防災力を高めようと中学生の「ジュニア消防検定」の実施を5月の全国消防職員意見発表会で提案し、最優秀賞を受賞した。「あの日の少女の、ひまわりのような笑顔を守っていくために」。怒和島での防災教育で目にした女児の笑顔が、安永さんの心に今も焼き付いている。【花澤葵】
怒和島では、豪雨による土砂崩れで井上麻衣子さん(36)と長女で市立怒和小3年の陽葵(ひなた)さん(9)、次女で同1年の結衣(ゆい)さん(6)が犠牲になった。
安永さんは2017年、市消防局が防災教育として実施する「命の教育」の授業で、当時小学2年だった陽葵さんがいた怒和小を訪れた。火事や地震の時の行動などについての授業を陽葵さんは熱心に聞き、真っすぐな目で安永さんを見つめていた。授業後は陽葵さんらとバスケットボールをして、給食も一緒に食べた。珍しい名前と、元気で明るいひまわりのような笑顔が印象的だった。
昨年の豪雨の時、怒和島で土砂災害が発生し、母親1人と子ども2人が取り残されているというニュースのテレビ中継を目にした。「もしかして」という思いがよぎり、後日、陽葵さんらが亡くなったことを知った。
「あの時、豪雨災害に関する話をしておけばよかった」。自分に何かできることがあったのではないかと、後悔の念に駆られた。「これからもっといろいろなことをしたかっただろう」と思うと、胸が締め付けられた。
そんな時、上司から声をかけられ、意見発表会に参加することを決めた。約1カ月間提案内容を考え、子どもに「考動力」をつけてもらうため職場体験学習時に中学生を対象とした「ジュニア消防検定」の実施を考案。救助や救命、災害危険箇所の確認、災害発生時の行動についてなどの検定試験を行い、合格者には証明書と認定バッジを授与するアイデアで、松山市、県、四国とそれぞれの発表会で最優秀賞を獲得し、全国に出場。全国では10人の中から最優秀賞に選ばれた。
提案内容は今後、市消防局が導入するかどうかについて検討する。安永さんは「検定を通じて、豪雨災害を忘れないように子どもたちに伝えたい。防災や減災が身近になり、災害に対する心構えを強めていけたら」と話している。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190617-00000064-mai-soci
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