- なんでも
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獄中のAに対する新潮のインタビュー
〈噛みしめるように話すAの姿を見ると、多くの人には純朴な人物として映るだろう(略)服役生活は、拘置所での収容期間を合わせると28年ほどになる。それらの日々が、Aに変化をもたらしたのだろうか〉
Aは“模範囚”として刑務所生活を送るというが、なぜ、絶望することなく日々を生きることができるのか。問いにAは、〈「社会復帰という目標があるからです」と、はっきりとした口調で答えた〉。そして昨年8月にくも膜下出血で入院していた、と明かす。
〈「それでも生きることができたのは、私にはまだやるべき使命が残されているからだと思い、感謝の気持ちでいっぱいです。命の重みを感じ、私が奪ってしまった命の重さや尊さをあらためて身をもって知りました」〉
無期懲役と聞けば、字面とは裏腹に10数年ほどで出所できるイメージがあり、実際、刑法上では10年を過ぎれば仮釈放の資格が与えられることになっている。
しかし実際は、14年末現在で収容されている無期懲役囚1842人のうち、〈27人が40年から50年、12人は実に50年以上にわたって服役を続けている〉。05年から14年の間に54人が仮釈放されるも、〈平均収容期間は27年2カ月(05年)から31年4カ月(14年)と長期化〉、そして同期間の獄中死は154人に上る。
こうした事情は、A自身も理解している。
〈Aは、仮釈放を現実のものとして望みをつなげる、数少ない無期懲役囚なのだ。
だが、その困難さを知らないわけではない。そのことをAは、こう話した。
「審査も厳しく、出るのは簡単じゃないと思います(略)状況は厳しいのですが、必ず出られる日が来ると信じて、毎日を頑張っていこうと思っています」〉
仮釈放が刑法で定められた権利でもある一方で、罪の重さ、被害者遺族の感情を鑑みれば、これを認めるべきではないとの意見もある。犯罪者の“贖罪”“更生”をいかに考えるべきか、佐藤氏の寄稿は問いかける。- 0
18/12/19 19:39:51