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- 18/11/23 03:28:40
幼稚園に行けなくされた息子
「散歩に行っても大勢の人が尾行してきます。夫が拘束されてから、生活はすっかり変わってしまいました」
2017年の夏。妻の李文足(33歳、以下敬称略)は、心身ともに疲れ切っていた。
生活はすっかり変わってしまった、と話す李文足(2017年8月 北京)
弁護士の夫、王全璋(42歳)は、突然、当局に身柄拘束されて、失踪した。夫の安否さえ分からず、二年もの不安な日々を送る中で、残された自分たちも、治安当局から容赦のない圧力を受けていたからだ。
李文足が特に、心を痛めていたのは、当時すでに4歳になった息子のことだ。
「息子は、去年、幼稚園に通う年齢になりました。二つの幼稚園と契約を結んで、お金まで払ったのですが、警察の圧力がかかり、息子の入園を拒否されました。後で分かったのですが、私が住んでいる地域の幼稚園や初等教育の機関は、『私たちの息子を受け入れてはいけない』と指示されていたのです」
警察の圧力を受け幼稚園が息子の入園を拒否した
こうした日常生活へ加えられる圧力だけではなかった。中国が国際的に注目を浴びるような大きなイベントを抱える時には、圧力はさらに強まった。
自宅前に居座る集団
その年の秋、2017年11月。
アメリカのトランプ大統領が、就任後初めて中国を訪問した。その際、李文足の自宅の扉の前に、十人ほどの集団が居座った。中には、知った治安要員の姿もある。その他は、おそらく動員された住民たちだろう。
李文足が、外出しようとすると、その者たちが邪魔する。スキンヘッドにあご髭を生やした太った男が、李文足を口汚く罵った。まるでチンピラだ。
「あなたたちは何の権限があって、私の自由を制限するの!」
叫んでも騒いでも、無駄だった。この状況は三日続き、李文足はその間、自宅に閉じ込められていたという。
https://news.yahoo.co.jp/byline/miyazakinorihide/20181122-00104731/
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