義理の父から性的虐待女性「処罰求める勇気を」

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  • 18/07/19 19:58:35

◇厳罰化の法改正を評価 「被害者支援体制の充実」も訴え

 刑法改正による性犯罪の厳罰化から1年。義理の父親から性的虐待を受けていた岡山県出身の女性(36)は「告訴状を出さなくても捜査をしてもらえるようになったことで、被害者の負担は軽減されたのでは」と法改正を評価する。ただ「被害者を取り巻く環境は変わっていない。支援体制を充実させてほしい」と訴えている。

 母親の再婚相手に体を触られるようになったのは、小学校6年のころだった。中学生になると性交を強いられた。ささいなことで怒鳴ったり殴ったりする義父には逆らえず、母親も見て見ぬふりをした。「行為が終わるまで、ずっと天井を見ていた」。女性は15年間で2度の中絶手術を受けたという。

 2009年。当時交際していた今の夫に被害を打ち明けたことをきっかけに、岡山県警に相談した。ただ、法改正前の性犯罪は、被害者本人が加害者の処罰を求める告訴という手続きを取らなければ、裁判にかけることができない親告罪だった。

 性犯罪の被害者にとって、告訴状の提出は精神的な負担が大きい。顔見知りや身内を罪に問う意思を示すことになるからだ。女性は義父の処罰を強く望んでいたが、証拠や書類をそろえるために弁護士の手を借りたり、警察に何度も足を運んだりする必要に迫られた。告訴状が受理されたのは最初の相談から2年近くがたってから。準強姦(ごうかん)罪で義父に懲役10年の判決が言い渡されたのは12年のことだった。

 法改正で性犯罪は親告罪ではなくなった。女性は「被害者の負担が少なくなったことはいいことだと思う」と話す。ただ「被害者が泣き寝入りしやすい状況に変わりはない」と指摘する。捜査の過程では、被害状況を何度も詳細に説明しなければならず、その度にフラッシュバックに襲われた。親族の「示談すべきだ」とのプレッシャーにも悩まされた。

 支えになったのは、警察から紹介された支援団体のメンバーや夫の存在だった。生まれたばかりの息子を事情聴取に同伴させてくれた警察の配慮にも助けられた。「私は周りがいい人だったから乗り切れた。誰でもきめ細かい対応を受けられるような仕組みが必要」と話す。

 法改正で、保護者などが立場を利用して18歳未満の子供に性行為をすることを罰する「監護者性交等罪」が新設された。今年1~6月に23件が検挙されたが、女性は「氷山の一角にもならないのではないか」と案じる。「性犯罪の被害者は、目をつぶるのがいちばん簡単だと思いがち。でも、傷を一生抱えていくのは大変なこと。被害者が勇気を出せる社会になってほしい」。女性は言葉に力を込めた。

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