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■「酸欠でどんどん生き物が死ぬ」
こうした問題点を指摘した参加者は、ぎどら氏1人ではない。「岐阜県昆虫分布研究会」に所属する常川真さんは13日のJ-CASTニュースの取材に対し、
“「網で捕まえた魚を入れる容器が圧倒的に足らない。数少ない容器の中は酸欠でどんどん生き物が死ぬ。池の中も、一度に沢山の人が入り、泥水となり酸欠で小魚が大量に浮かぶ事態に」
と現場の状況を生々しく振り返る。とにかく捕獲した魚を保管する容器が足りない状況で、一般参加者のバケツも借りて使わなくてはいけない程だったという。
さらに常川さんは、イベントの開催前から主催側の認識に不安を感じていたとして、事前に昆虫や魚に詳しい地元の人間に参加を呼び掛けたとも明かす。その上で、こうした一般参加者が主体となって、ボランティアで魚の識別作業に取り組んでいたとも訴えていた。
そのほか、イベントに参加した岐阜大学の男子学生(20)も、番組放送直後のツイッターで、池に浮かぶ魚の死体の写真をアップし、
“「『池の水全部抜く』に参加した みんな大型の魚ばっかり狙うから、小型の在来魚が取れても捨てられて弱って死んでいく様子が辛かった」
と投稿。ツイートの真意について尋ねると、ぎどら氏がブログで訴えた内容は「全て事実」だと認めた上で、イベントに参加した感想について次のように振り返った。
“「淡水魚の専門家もいなければ現場の統制も取れずに、魚が次々と死んでいきました。環境に恵まれた場所においてこの様なことが起きてしまい残念です」
■テレ東「様々なご意見が出ていることは承知しております」
なぜ、このような事態が起きてしまったのか。
イベントを主催した地元団体「トンボ池を守る会」の担当者は12日のJ-CASTニュースの取材に、池の水を抜く今回の企画は「こちらが番組側に依頼して実施したものです」と説明。ただ、
“「イベントの主催は私たちですが、専門家や現場のスタッフ、水を抜く作業を行う業者などは番組側で全て手配すると伝えられていました。こちらの作業として指示されたのは、一般の参加者を集めることだけでした」
とも話していた。つまり、同会の認識としては、イベントの現場運営はすべて番組側に一任していたということだ。
なお、上述したように現場の混乱を指摘する意見が出ていることについて、同会の担当者は「1番の目的は、ヤゴを食べてしまう外来種の駆除。こちらとしては、今回の収録でその目的は達成できたと思っている」と回答。続けて、
“「こういう言い方は問題かもしれませんが、前提としてある程度の犠牲は仕方がないとも考えていました。そういう意味では、問題を訴えた方々とは認識の違いがあるのかもしれません」
とも話していた。
またJ-CASTニュースでは、テレビ東京広報局に対して、(1)現場の混乱を訴える参加者の意見は事実だと認識しているか(2)現場の運営は番組側に一任していたという主催側の考えは正しいのか――などを取材で質問したが、テレ東側から返ってきた回答は、
“「今回の笠松での取材に関して、ロケの進行などについて、様々なご意見が出ていることは承知しております。皆様からいただいたお声には真摯に向き合い、専門家の方々のお話も引き続きお伺いしながら、今後の番組制作に生かしていきたいと思います。何卒ご理解のほどお願い申し上げます」
というものだった。
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18/03/20 10:37:29