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- 彼岸花
- 17/11/08 13:00:24
米韓の思惑のズレ、首脳会談でも隠しきれず 対北朝鮮
2017年11月8日05時01分
アジア歴訪の舞台を日本から韓国に移したトランプ米大統領。7日、文在寅(ムンジェイン)大統領との首脳会談では懸案の北朝鮮問題について、平和的な解決を目指して協力することで足並みをそろえた。ただ、軍事的措置をちらつかせて圧力をかける米国と、対話に意欲を見せる韓国はギクシャクした関係が続く。両国は協力を取り繕った形だが、思惑のずれは隠しきれない。
ソウル市内の沿道に、太極旗と星条旗に紛れて「NO WAR」と書かれたプラカードが揺れるなか、トランプ氏を乗せた車両が過ぎていく。市内では数日前からトランプ氏を批判する集会やデモが相次ぎ、大統領府が「温かく歓迎してほしい」とする異例の談話を発表したほどだ。
7日夕に開かれた米韓首脳共同会見で、文氏は最初に「我々は、北朝鮮の核問題を平和的に解決するよう協力することで一致した」と力を込めた。
7日午後、文氏は京畿道平沢(キョンギドピョンテク)の米軍基地キャンプ・ハンフリーズでトランプ氏を出迎えた。韓国側が二人で基地を訪れることを提案したという。韓国大統領府のフェイスブックに投稿された動画は、握手する両首脳の姿や、文氏が昼食会で米韓の兵士らに「今日は格別な日。苦しいときこそ本当の友達がわかる」と話しかける姿を映し出した。
韓国は今回、トランプ氏を25年ぶりの国賓として遇した。直前には、米側が重ねて求めていた北朝鮮に対する韓国の独自制裁も発表。7日夜の夕食会は、文氏が生まれた南部・巨済島(コジェド)産のカレイ料理などでもてなした。
韓国は何を望んでいるのか。文氏は1日の国会演説で「半島での武力衝突はだめだ。韓国の事前同意なしに軍事行動はあり得ない」と強調した。韓国政府高官も「首脳会談は平和解決を確認する機会になる」と語っていた。
これに対し、トランプ氏は記者会見で「一緒に」「並んで」という言葉を何度も使い、「韓国はとても重要な国だ」と語った。「我々は一緒に、軍事的行動ではない、すべての可能な手段を使って、この問題を解決する」と韓国に配慮を見せた。一方で「必要ならば、(北朝鮮に)不釣り合いなほどの軍事力を最大限に使って、自国と同盟国を守る準備がある」とも述べ、これまで通り、軍事的措置の可能性をちらつかせて北朝鮮を牽制(けんせい)した。
6日の日米首脳会談で日米は「百%共にある」と足並みをそろえたが、米韓関係はそこまで至らないのが実態だ。
ログイン前の続きその一例が、韓国による国際機関を通じた北朝鮮への計800万ドル(約9億円)の人道支援だ。米政府は支援の時期に懸念を示しているが、韓国側は年内にも国際機関に送金する構えを崩していない。
10月27日にマティス米国防長官と韓国の康京和(カンギョンファ)外相がソウルで会談した際も、支援を巡って平行線の議論を繰り広げた。康氏は国連で人道支援に携わった経験を交えて韓国の事情を訴えたが、逆に安全保障を最重視するマティス氏の不信感を買ったという。
北朝鮮は9月15日に弾道ミサイルを発射して以降、武力挑発を控えている。韓国政府高官は「再び挑発する可能性が極めて高い」とみる一方、「非常に肯定的に評価している」と語り、対話に結びつけたい意欲を隠さない。文氏の外交ブレーンの一人は「平昌(ピョンチャン)冬季五輪まで挑発がなければ、韓米合同軍事演習を縮小すべきだ」とも語る。
米国の専門家は「あまりにも安全保障に無責任な主張になりかねない」と懸念する。
続き >>1 日米韓の協力に影
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