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- 17/07/16 13:18:20
PTA改革でやり玉にあげられる、ベルマーク係。学習帳やお菓子の包装紙についている、あの約1~2センチ四方のマークを集める作業のことだ。この時代に手作業でやるのは「非効率」という声もある。ベルマーク教育助成財団に取材した。【BuzzFeed Japan / 小林明子】
ベルマークといえば、子どもの頃、親が切り貼りしていた記憶がある人もいるかもしれない。なにせ、1960年から57年にわたって続いている事業だ。デジタル時代のいまも、包装紙片の切り貼り作業は、全国2万7282校のPTAで脈々と受け継がれている。
私の息子(11)が通う小学校では、保護者は毎年1つ、PTAの「係」をしなければならない。そのうちベルマーク係は「非効率」「平日に有休を取らなければならない」と悪名高い。ただ、冷房の効いた部屋で座り作業を一度すればいいだけなので、運動会の手伝いや集金当番よりはマシだとして、実は人気がある。
私も今年、ベルマーク係をやることになった。集計作業は平日の午前中ということで、半休を取った。
時間ちょうどに到着すると、すでに30人ほどの保護者が畳に座り、作業をはじめていた。男性も2人いた。机の上には、キユーピー、日清食品、ファミリーマートなど会社ごとにマークが仕分けされている。PTAの役員があらかじめ作業してくれていたようだ。
それを「1点」「0.7点」「0.5点」など点数別に、しめじの空き容器に入れるところからが、私たち末端の「係」の作業。同じ点数を10枚並べ、セロハンテープで表と裏を貼って固定する。それがワンセット。
プリントに書いてあったエプロンや軍手を使う機会はなく、楽しくもなければつらくもない単純作業が延々と続く。
「やだ、油でベタベタしてる!」「子どもにやらせればいいのに」「ずっと下を向いて切り貼りしていたら具合が悪くなった人がいたらしい」といった声が聞こえてくる。貼り方のコツを教えあったり、ちょっとした愚痴を漏らしたりするうち、連帯感は生まれてくる、確かに。
ところで、作業が終わりそうになっても、これは何のためにしている作業なのか、まったく説明がない。いくら末端の「係」とはいえ、どう役に立てるのかくらいは知りたい。
役員を呼びとめて尋ねてみた。
「マークを集めて財団に送ると、学校の備品がもらえます。今年すぐに何か、というわけではないですね。以前、周年行事で冷水器がもらえたみたい。そんな感じだから、今日の作業なんて微々たるものなんですけど」
周年行事というと、創立5周年や10周年の節目だ。このマークが備品に替わるころには、いま5年生の息子は卒業しているかもしれない。何年もかけて集めて、やっと一つの備品を後輩に贈れるなんて、無償の愛をつないでいるようでドラマチックだ。
同時に思った。だから途中でやめられないんだな、と。
ベルマークの目的や意義を知るため、BuzzFeed Newsは、東京都中央区にある公益財団法人「ベルマーク教育助成財団」を取材した。
そこでわかったベルマークの目的は後述するとして、まず「ベルマークは貼る必要がない」という事実を、全国のPTAの皆さんにお知らせしたい。キレイに貼るために余白を切る手間も、あの膨大な量のセロハンテープも、シワになったものをはがすあの時間も、すべて不要だったというのだ。
「集計のやり方は、財団からは特に指定していません。各PTAでもっとも集計しやすいやり方を工夫していただいて、代々、引き継がれているようです」(財団広報部長の小菅幸一さん)
・会社別の指定袋に入れる
・指定袋に書かれた点数とマークの点数が同じ
財団としては、この2点を満たしていれば問題ないのだという。約30人の職員のうち、11人が「検収」という作業をしており、1日中、この指定袋の中身を調べ、別の会社のマークが混入していないか、点数の記載ミスがないかを確認している。
この日は、3カ月前の4月3日に段ボール箱やメール便で財団に届いたマークの検収に着手していた。1校につき20~60分かかるという。確かに、バラバラのまま無造作にマークを入れているPTAもある。検収担当の職員は言う。
「この道3~5年のベテランが多いです。パッと見て、この会社にこの点数のマークはないはずだ、などと直感でわかります。間違いがあれば訂正し、PTAに報告します」
「貼っていただかなくていいですし、余白も切らなくて大丈夫です。こちらとしては、どの会社の何点のマークかがわかればいいです。ただ、かさばったり送料が高くなったりするので簡単に切り取ることはおすすめします」
>>1に続きます。
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