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- 17/01/22 17:58:33
1月21日 17時58分
大相撲初場所は、14日目に1敗で優勝争い単独トップの大関・稀勢の里が勝ち、2敗で追う横綱・白鵬が敗れたため、千秋楽を待たずに稀勢の里が初優勝を決めました。
初場所の優勝争いは、1敗の稀勢の里を2敗の白鵬が追う展開で14日目を迎え、先に土俵に上がった稀勢の里が平幕の逸ノ城に寄り切りで勝ち、13勝1敗としました。
そして、白鵬が結びの一番で平幕の貴ノ岩に寄り切りで敗れ、3敗目を喫したため、稀勢の里が星の差2つのリードをつけ、千秋楽を前に初めての優勝を決めました。
稀勢の里は今場所、得意の左四つからの馬力を生かした攻めや、苦しい体勢を持ちこたえながらの粘り強い相撲で勝ち星を重ねてきました。
9日目に大関・琴奨菊に初黒星を喫しましたが、「一日一日、集中して力を出し切るだけ」と、みずからに言い聞かせるように繰り返し、重圧がかかる終盤戦も力強い相撲で乗り切り、初土俵から15年で悲願の初優勝をつかみました。
稀勢の里は大関昇進から31場所目での初優勝で、昭和以降1位のスロー記録となりました。
また、新入幕から73場所目での初優勝は元関脇の旭天鵬に次いで歴代2位のスロー記録です。
■涙ながらに「感謝しかない」
大関・稀勢の里は横綱・白鵬が敗れた結びの一番の時は、支度部屋の中で、テレビモニターに背を向けながら座り、取組を見ることはしませんでした。
そして、白鵬が敗れて初優勝が決まると、付け人が「横綱が負けました」と伝えました。
稀勢の里は報道陣に背を向けたまま、かみしめるように小さくうなずいたあと、しばらくして前に向き直して、報道陣の質問に答えました。
稀勢の里は「ありがとうございます。うれしいです」と短い言葉で控えめに喜びを語り、「またあした、最後しっかりしめたい」と目に涙を浮かべながら話しました。
そして、これまで支えてくれた人たちへ向けて、「感謝しかないですよ」と述べたあと、タオルで目をふき、ふだんどおり、ゆっくりとした足取りで国技館をあとにしました。
■兄弟子・西岩親方「ようやく花開いた」
大関・稀勢の里の兄弟子に当たる元関脇・若の里の西岩親方は「まだ実感がわかない。信じられない。こつこつやってきたから、ようやく、ここで花開いたのかなと思う」と、弟弟子の悲願達成を祝福しました。
そして、優勝の一番の要因として去年、大関の琴奨菊と豪栄道が初優勝し、ライバルに先を越されたことを挙げ、「大関の中で自分だけ優勝していない状況で、その悔しさが稀勢の里に火をつけたのだと思う。これで終わりじゃない。これからが大事だ」と話していました。
■横綱昇進の可能性は?
大関・稀勢の里が初優勝を決めたことについて、日本相撲協会の八角理事長は「今場所の稀勢の里は精神的にも、しぶとくなっている気がする。努力していれば、こういう優勝もある。ようやく花開いたというか、本人もうれしいでしょう。これだけ苦労した優勝は最近ないのではないか」とたたえました。
そのうえで、今場所後の横綱昇進の可能性については「気持ちを切らず、あすのもう一番に臨むこと。昇進については、あす終わってから」と話すにとどめました。
横綱審議委員会の守屋秀繁委員長は「最高のシナリオで言うことない。今場所は落ち着きもあったし、精神的にも満たされていたのではないか」と称賛しました。
そして、横綱昇進の可能性については、「私個人よりも日本国民が期待しているでしょう。あすの白鵬との一番を、それほど重要視しなくてもいいと思うが、もちろん、あす勝てば、もろ手を挙げて賛成する。委員会に諮問された場合、委員の意見を聞くが皆さんも賛成するのではないか」と前向きな見解を示しました。
>>1に続く
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