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- 16/11/23 11:24:26
2016.11.20 産経ニュース
http://www.sankei.com/premium/news/161120/prm1611200015-n1.html
国村隼、長沢まさみ、万田久子、気志団…あれ?と思った方も多いのでは。
雑誌や新聞のテレビ欄などでよく見る芸能人の名前ですが、それぞれ、國村、長澤、萬田、氣志團といういわゆる旧字体での表記が一般的になってきました。でも、以前はそうではありませんでした。産経新聞のテレビ欄で、「万」が「萬」になったのは、平成17年のこと。この頃から旧字体表記が増え始めたのです。
新聞に使う文字は、新字体が原則です。国会は國會ではないし、鉄道も鐵道ではありません。固有名詞も同様です。慶應大も、新聞表記では慶応大です。学校でも旧字体は学習しませんから、たとえ読めても書けない人が多いと思います。まして、大きく字の形が異なれば読めないこともあるでしょう。
昭和の終わりごろ、新聞製作の現場には、まだ活字が存在していました。記者の原稿も手書きです。ところが、新聞製作が活字からコンピューターになり、ワープロが登場し、パソコンで記者が原稿を書くようになったころから、この原則が怪しくなってきた分野が現れました。それは芸能界。テレビ欄などに登場する芸能人の名前です。
これには、「文字を書かなくなった」ことが原因のひとつにあるのではないかと思っています。芸能人本人に、どうしてもこの字を使いたい、という強い希望があったり、新聞社それぞれの事情があったりで、紙面に旧字体が登場するようになりました。何しろキーボードをたたけば、画数の多い旧字もすぐに画面に現れます。多種多様な活字を備えておく必要もなくなりました。
ただ、それによって本当はどういう字なのか、本人はどの字体を使いたいのか、確認が難しいケースも考えられるようになりました。
たとえば渡辺さん。「辺」には「邊」や「邉」など、恐ろしいほどたくさんの字体があるのですから、ご本人も、どの字が「正解」なのか分からないかもしれません。また、旧字体にこだわる人と、こだわらない人がいて、この問題をいっそう複雑にしています。
もちろん、名前は大切なものですから、「私の名前はこの字だ」という主張はもっともなことです。ですが同時に、特に著名な方の名前は、公共性という性格も持っています。新聞に名前が載るとき、読者が読めるというのは大前提です。
芸能人なら皆に名前を覚えてもらい、ファンレターやリクエストを“書いて”もらうためにも、字体にこだわってばかりもいられないのではないでしょうか。
それが証拠(?)に、政治家の名前は、特に選挙の折には「より簡単に」表記されます。新字体であることはもちろん、画数の多い難しい漢字を、ひらがなで表記する例もよく見受けられます。選挙ポスターなどでおなじみでしょう。
なんといっても、有権者に投票用紙へ自分の名前を“書いて”もらわなければならない政治家のみなさんにとっては、切実な問題なのだと推測します。
さて、嵐の桜井くん。現在の新聞での表記は桜井ですが、いつか櫻井と表記されるときがくるのでしょうか。あ、THE ALFEEの桜井さんはどうかな。(あ)
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