• No.1 リレーの選手

    16/10/13 23:13:25

    続き

     特に勢いが凄まじいのが、若い女性における増加だ。当初流行の中心は男性同性愛者だったのだが、最近は異性間の性的接触による感染が増加し、女性は2011年の177例から15年には769例に増えている。5年間で4倍以上に増えてしまった計算だ。しかも15~19歳は11人から76人に、20代は49人から382人に増えている。

     若い女性に流行することで必然的に心配されるのは、先天性梅毒患者として生まれてくる赤ちゃんの増加だ。妊婦が梅毒に感染すると、流産や死産の原因となったり、先天性梅毒の赤ちゃんが生まれたりする可能性があると、専門家は危惧している。

    (図)年齢(5歳階級)別にみた女性の梅毒報告数の年次推移

    ■意外と知られていない梅毒のさまざまな症状

    「梅毒って何?」

     冒頭の少女がきょとんとしていたのも無理はない。

     かつての日本では「花(鼻)が落ちる花柳病」と怖れられ、非常にポピュラーだった梅毒も、現代の若者たちにとっては、聞いたこともない謎の病気かもしれない。

     大人世代にとっても、その昔「江戸わずらい」と呼ばれた「脚気」のように、もはや「昔々の病気」というイメージが強い。

     実際日本では、1940年代のペニシリンの普及以降、発症数は劇的に減少していた。読者の中には2011年に放映された大ヒットドラマ「JIN-仁-」(TBS)(※)を視て、初めて存在を知った人も多いのではないだろうか。

     梅毒は「梅毒トレポネーマ」という細菌によって引き起こされる感染症である。性行為による感染が多いことから性感染症に分類される。進行の仕方としては「3週間3ヵ月3年」というパターンが有名だ。

    ◇「1期梅毒」(感染から3週間程度)
    感染部位(主に性器)に痛みのない小豆大のしこりができたり、リンパ節が腫れたりする。しこりは潰瘍になることもあるが、いつの間にか自然消滅してしまう。この時点では、あまり目立った症状があらわれないため、気がつくのは難しい場合が多い。

    ◇「2期梅毒」(感染後3ヵ月経過)
    手足の平や背中など、全身に「バラ疹」と呼ばれる赤色系の斑点(発疹)があらわれる。さらに脱毛、発熱、疲労倦怠感、全身のリンパ節が腫れるなどの症状もともなう。バラ疹もしばらくすると自然に消えてしまう。

    ◇「3期梅毒」(感染後3年以上)
    皮膚や筋肉、骨などにゴムのような腫瘍(ゴム腫)が発生してくるが、さすがに医療の発達した現代の日本では、ここまで悪化させるケースは稀だ。

    ※原作は、村上もとかの人気漫画。ある事件がきっかけで江戸時代にタイムスリップした現代の脳外科医が、自らも幕末の動乱に巻き込まれていく。ドラマの中で主人公は、梅毒に侵された遊女を救うため、坂本竜馬らの協力を得て、特効薬のペニシリンを作りだした。

    続く
    →どうして感染が拡大しているのか

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