• No.17 リレーの選手

    16/10/13 22:32:20

    『韓国高速船沈没 中韓両国の緊張が高まる』

    【ソウル大貫智子、北京・石原聖】中国漁船が韓国の高速船に体当たりして沈没させた事件で、中韓両国の緊張が高まっている。韓国政府は不法漁船に重火器を使用する強硬策を発表。中国は反発し、批判合戦となった。韓国の強硬姿勢の背景には、政権批判をかわす思惑や、在韓米軍の迎撃ミサイル配備問題で対中感情が悪化していることがある。

     13日、韓国国会の外交統一委員会で政府の対応が不十分との指摘が相次いだ。尹炳世(ユン・ビョンセ)外相は「(中国側の対応は)容認できない面も多いが……」と釈明に追われた。

     批判の発端となったのは、韓国北西部・仁川(インチョン)沖の韓国側の排他的経済水域(EEZ)内で7日、不法操業していた中国漁船が韓国海洋警備安全本部の高速船に体当たりし沈没させた事件だ。韓国政府は11日、中国の不法漁船にバルカン砲など重火器を使うことを容認。外務省は11日、邱国洪・駐韓中国大使を呼び、沈没事件について抗議した。

     中国外務省は12日、高速船が沈没した場所は「中韓の漁業協定で定められた水域だ」と主張。韓国外務省は12日、「公権力への挑戦に対する我々の措置は正当だ」と反論した。

     韓国政府の強硬姿勢について崔剛(チェ・ガン)・峨山(アサン)政策研究院副院長は「中国の顔色をうかがってばかりいるという国民の不満を意識した国内政治的要素と、最近のぎすぎすした韓中関係が影響した」とみる。

     世論調査機関・リアルメーターの13日発表の世論調査では、不法漁船問題で武力を含む強硬な対応支持が61.3%で、外交的解決を求める33.7%を大きく上回った。

     朴槿恵(パク・クネ)政権は北朝鮮問題での協力を求めるとして良好な対中関係構築を掲げた。しかし、北朝鮮の相次ぐ核、ミサイル発射実験を受け今年7月、米軍の迎撃ミサイルシステム「終末高高度防衛(THAAD)ミサイル」の配備が決定、中韓関係は冷却化が進んでいた。

    ◇中国と韓国の関係悪化を巡る経緯

    2015年
    9月    韓国の朴槿恵大統領が中国で開かれた「抗日戦争勝利70周年」記念式典に出席

    2016年
    1月 6日 北朝鮮が4回目の核実験

    1月13日 朴氏が核実験に絡み、北朝鮮に影響力を持つ中国の姿勢を批判

    7月 8日 米韓両政府がTHAAD配備を決定し、17年末までの運用開始を目指すと発表

    同日 中国が配備決定に反発

    9月 9日 北朝鮮が5回目の核実験

    9月29日 韓国当局が韓国南西部沖で不法操業の中国漁船を取り締まり中、漁船が出火して3人が死亡

    10月7日 韓国北西部沖で韓国当局の小型高速船が不法操業の中国漁船に体当たりされ、高速船が沈没


    毎日新聞2016年10月13日 20時12分
    http://mainichi.jp/articles/20161014/k00/00m/030/059000c

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