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市が行政手続法に基づき今年2~5月に事業所側の言い分を聞く聴聞を3回開いたところ、事業所側は代理人弁護士を同伴させて「これは虐待ではない」と繰り返し主張したという。
それでも市は隠しカメラ映像を重視し6月2日、介護保険法に基づき、15日から半年間、新規受け入れ停止とともに、介護報酬請求を20%減額する処分を発表した。
この発表直前、市から処分内容を通知されていた事業所側は、すぐに“反撃”に打って出た。
発表から約1時間後、事業所の運営会社は市内の弁護士事務所で記者会見を開いた。
代理人弁護士と同社社長、市が虐待をしたと認定した女性ヘルパー1人の計3人が出席した。
「虐待は事実誤認。これを虐待と言われたら、誰一人、介護の仕事なんて従事できない」。
代理人弁護士はそう語気を強めた。
会見で明かされた事業所側の言い分は、市側の説明と全く違っていた。
まず、ベッドからほうり投げるように移動させたことについて、「2人で女性の脇を抱え、むしろ丁寧に移動させていた」。女性はいったんベッドに座ったが、ずり落ちそうになったため、もう一度深く腰をかけさせようと、脇を抱えたことが「ほうり投げる」とされた、と訴えた。
ヘルパーが女性の右太ももを小突いたことについては
「靴下を履かせるために脚をタッピングするのが普通」。
女性の身体が左右に揺れるほど荒々しい介助との指摘には
「ベッドの上で服に腕を通せば、身体が左右に揺れるのは当然。身体を揺らさず着替えさせるのは、誰がやっても不可能」と強調した。
弁護士は「必ずしも女性に対して言っているわけではない」と説明。
「だぼ」はヘルパーの独り言、「うっとうしい」「こいつ」は思わず口を突いて出た瞬間的な一言、そして「頭おかしいんちゃうんか」は、衣類が散乱した女性の部屋を見て、ヘルパー同士の会話の中で出た言葉-とした。
記者会見では、市が聞き取り調査で事業所側(ヘルパー)も虐待を認めたと発表したことへの反論もあった。
社長は「ヘルパーは映像を確認して、
『映っているのは自分で間違いない』と認めただけだ」と主張し、女性ヘルパーも「言葉は不適切だったが、虐待ではない」と訴えた。
現場で一体、何が起きたのか。
事業所側の主張を要約するとこうだ。
被介護者の女性は1人暮らしで、日常生活全般に介助が必要とされる「要介護4」。- 0
16/06/27 07:52:40